メンバーズ・メッセージ

FY 2024
  • Bamlakfekad Mengesha Admassu
    所属 :
    アジズアベバ大学 / EiABC (Ethiopian Institute of Architecture, Building Construction and City Development)
    出身国・地域 :
    エチオピア
    名前 :
    Bamlakfekad Mengesha Admassu

日本への旅は夢のような体験でした。 建築学部の最終学年で建築遺産保存の分野と出会ったとき、自分が「日出ずる国」で人生の転機となるような時を過ごすことになろうとは思いもよりませんでした。

指導教官である建築家Tadesse Girmay氏およびFasil Giorghis氏、両氏とともに岡崎 瑠美教授が教鞭を取る芝浦工業大学へ向かい、建築遺産をデジタル保存することの重要性を学ぶ設計ワークショップに参加しました。

戦後日本建築の先駆者である丹下健三はかつてこう言いました─「日本では伝統とモダニズムが共存している」。古代の寺院と未来的な高層ビルが建ち並ぶ東京の賑やかな通りを探訪しているとき、真っ先にその言葉を思い起こしました。日本では、「進歩」と「保護」双方の概念が両立しており、絶妙な二元性が保たれています。 この傾向は建築分野を超えて、社会の規範、マナー、文化、生活様式にまで及んでいるのではないでしょうか。

建築保存プロジェクト、Zexaverse への訪問やXR に関する講義等を通じ、私は革新と伝統が日本のデザイン界で共存していることを目の当たりにしました。 例えばある古い日本の農家の建物に目を向けたとき、その構造の精密さと職人技に畏敬の念を抱きました。 建築遺産に敬意を払い、温存する文化から学ぶことができたのは光栄なことです。

日本に別れを告げたとき、私はこの交流プログラムで得た思い出や友情を宝物のように母国へ持ち帰りました。 科学技術振興機構 (JST)の皆さんのおもてなし、さくらサイエンスクラブ(SSC)の温かさ、そして芝浦工業大学で受けた研修は、素晴らしい足跡を残しました。

また私は日本で過去と未来、そして伝統と革新が見事に交差していることをたいへん味わい深いこととして捉えられるようになりました。 エチオピアに戻った後、建築家としての道をまい進するにあたり、新たな知識や洞察が得られたことは確かです。

ARIGATO GOZAIMASU!
科学技術振興機構、さくらサイエンスプログラム、芝浦工業大学 各関係者皆様とのふれあいは、私の建築の旅における忘れられない一ページとなりました。 お互いの人生の旅路が再び交わることを願っています。

プログラム内容の詳細はここからご覧いただけます