メンバーズ・メッセージ
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- OTIWA, Simon Ofana
- 所属 :
The University of the South Pacific (USP-南太平洋大学), Fiji - 出身国・地域 :
ナイジェリア - 名前 :
OTIWA, Simon Ofana
原油の掘削・精製による汚染・環境破壊という課題を抱えるナイジェリア南部出身者として、私の使命は常に生物学的な手法によって祖国の環境悪化を阻止することでした。2024年1月に開催された公益財団法人 国際環境技術移転センター(ICETT: International Center for Environmental Technology Transfer)によるプログラムのメインテーマは個人的な目標にぴったり合致するものではありませんでしたが、廃棄物管理・環境管理というプログラムのサブテーマとは見事に共鳴しました。
国際環境技術移転センターが主催した同プログラム(さくらサイエンスプログラムが支援)の参加者最終選考に残った私は、3R (recycling, reduction and reuse─リサイクル、削減、再利用)による廃棄物管理の現代的アプローチについて学ぶため日本を訪問しました。一週間にわたり最先端の廃棄物管理施設5か所、日本の大学2か所を巡り、自治体の廃棄物管理・政策評価を専門とする政府機関1か所を訪問しました。3Rの概念 が日本人の生活に溶け込むイノベーションであることを直に知る貴重な機会だったと思います。
端的に述べると、このプログラムは私にとって圧倒的な経験でした。プラスチック、ガラス、ポリスチレン、PET、有機材料をリサイクルする新技術・機械的方法についても学ぶことができました。特に重要だったのは、有機廃棄物をメタンエネルギーに変えるバイオマス変換でした。変換されたエネルギーは大都市コミュニティに電力として直接供給されます。また、科学・持続可能性・循環型社会における共生といったトピックが小学校の最も初歩的な学習科目に反映されていることも分かりました。これらは、小学校の技術入門クラスで教えられている基本概念であり、私はその様子を三重県で目の当たりにしました。
学術研究の頂点 である博士号に向かって旅する中、このプログラムは間違いなく私にパラダイムシフトをもたらしました。現在、私は一般的な有機廃棄物の生物変換に関する研究に関心を寄せており、生化学的に最適化された菌類の使用を構想しています。この研究は生態系再生の前兆となる可能性を持っており、博士号取得に向けて私は日本のトップクラスの大学の教授と研究できることを期待しています。その間、自ら提出した「アクションプラン」で概説したプロジェクトを実現するため、国際環境技術移転センターを通じて JICA から連絡が届くのを心待ちにしています。
知識を求める世界中の人々に友情の手を差し伸べてくれた日本という寛大な国に私は感謝しています。この寛容さを享受できたことは計り知れない恩恵です。
Arigatou gozaimasu!
Thank you!