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インドネシア同窓会SAAIがグランドウェビナーを開催:世界中から500人の視聴者がアクセス

準備に多くの時間を費やしたSakura Science Alumni Association Indonesia(SAAI)による初のオンラインセミナーSAAI Grand Webinarが7月29日に実施され、500人の視聴者が世界各地からアクセスするという盛況をおさめました。SAAIはさくらサイエンスクラブ(SSC)のインドネシア同窓会です。本庶佑 京都大学名誉教授(がん免疫総合研究センター)と藤嶋昭 東京理科大学栄誉教授(光触媒国際研究センター)による講演を通じて、視聴者はおおいにインスピレーションを得ることができました。また、在日本インドネシア大使館のMr. Tri Purnajayaからは、「豊富な天然資源、若い人口、そして強い経済を誇るインドネシアは特に日本と再生可能エネルギーの分野で協力するのが効果的」との見解を述べました。JSTの東美貴子 副調査役もまた、科学技術振興機構の概要説明の中でインドネシアも参加しているSATREPSのような共同研究の仕組みを紹介しました。 JASSOインドネシア事務所のMs. Rinjani Hanani Suyuからは日本の大学院への留学について具体的なオリエンテーションがありました。

image1ウェビナーの公式ポスター
image2世界各地からの参加者がオンライン上に集合しました

科学者になりたい若者へのメッセージとして本庶先生は、研究トピックを深く掘り下げるには好奇心が必要であり、権威に挑戦したり、既存の考え方と闘わなければならない可能性もあることを強調しました。常に自分の嗅覚を信じ、「興味深い匂いを発しているものを追いかけよう」というアドバイスがありました。また、事前に決められたスケジュールをこなすような人生を過ごすのではなく、本当にやりたいことのために、決して諦めないようにという励ましの言葉をいただきました。

基礎研究の重要性を指摘された藤嶋先生からはご自身の専門分野である光触媒の特性をご紹介いただきました。太陽光と二酸化チタンの間の化学反応から得られる酸化分解力および殺菌性を特徴とする光触媒は、工業製品・建造物のコーティングから空気清浄、医療分野、飲料水の処理まで、無数の可能性を秘めています。「サイエンスを楽しんで!」と若い視聴者を激励してくださいました。

ウェビナーの締めくくりとしては、3人のSAAI同窓生Rini Meiarti氏、Dyshelly Nurkartika氏およびJohannes Nicolaus氏が、留学先として日本を選んだ理由や動機、留学までのプロセスについて自分の体験談を交えて熱心に語りかけてくれました。

このウェビナーは、主幹事であるHelen Kristin氏が率いるSAAI幹事会全員による綿密な計画とチームワークのもとに実現できました。オンラインセミナーに付随する技術的な課題や雑務を克服し、このイベントを大成功に導くことのできたSAAI同窓生にJSTおよびSSC事務局からあらためて謝意を表したいと思います。