メンバーズ・メッセージ

FY 2021
  • Ourlad Alzeus G. Tantengco
    所属 :
    フィリピン大学医学部マニラ校
    出身国・地域 :
    フィリピン
    名前 :
    Ourlad Alzeus G. Tantengco

こんにちは。2015年に行われた<さくらサイエンスプログラム>についての体験を紹介したいと思います。

私は、フィリピン大学医学部マニラ校(UP Manila)で分子医学を専攻している7th year MD-PhDの学生で、博士課程研究員としてテキサス大学医学部ガルヴェストン校に在籍しています。

2015年にフィリピン大学マニラ校のMD-PhD同期生と大阪を訪れ、さくらサイエンスプログラムの短期インターンシップに参加しました。私たちの受入機関は、大阪母子医療センター研究所の免疫部門でした。プログラムを通じて、私は保健研究に役立つさまざまな分子技術や、最先端の機器に触れることができました。また、後に私のメンターや研究協力者となってくださった日本の医師や科学者たちと交流し、ネットワークを築くこともできました。このような経験から、私は産婦人科分野の研究に興味を持つようになりました。

柳原格先生は、大阪母子医療センターにおける短期インターンシップ時、私たちを迎えてくださったホスト研究者です。柳原先生は、さくらサイエンス交流プログラム終了後も、専門性を高める機会を提供してくださいました。2018年6月、私は大学の研究選択科目の一環として先生の研究室に戻って産婦人科分野の研究を行いました。 大学病院の子宮頸がん患者を対象に、HPV(ヒトパピローマウイルス)のジェノタイピング(遺伝子型判定)を実施し、他の性感染症菌との重複感染を起こす遺伝子も検出することができました。また、子宮頸がん予後不良患者に関する遺伝子多型性(同一種内・同一遺伝子で異なる構造の遺伝子を持つ集団が複数存在する状態)の発生についても調査を行いました。

柳原先生はまた進行中の他の研究にも参加させてくださり、先生の研究室から投稿したいくつかの研究論文の共著者となることができました。私は2019年1月、再び柳原先生の研究室に戻り、さらに研究に勤しみました。短い滞在期間にもかかわらず、三本の研究論文と1つのレビュー論文を異なる国際的な専門ジャーナルに発表することができました。

2015年に日本を訪れる機会を与えてくれたDr. Nina Gloriani、柳原格先生、そしてJSTに感謝を捧げます。この経験は、私が優れた医師、そして優れた科学者を目指すための可能性を大きく広げてくれました。