メンバーズ・メッセージ

FY 2025
  • Fabroyir, Hadziq
    所属 :
    スラバヤ工科大学(ITS)
    出身国・地域 :
    インドネシア
    名前 :
    Fabroyir, Hadziq

2024年後半、私は東京大学で実施されたさくらサイエンスプログラム(SSP)を存分に体験する機会を得ました。しかし、この渡航は単なる交換留学にとどまるものではありませんでした。研究の在り方、学際的な協力、そして社会課題に取り組むためにテクノロジーをどのように活用すべきかについて、私の考え方を大きく変える経験となりました。

また、私はAssistant Professorとして、拡張現実(XR)分野─特に新しいインタラクションモデルやシステム・ユーザビリティおよび改善に関する研究を行っております。そのような背景から私は日本国内の研究室を数か所訪問する中で、特にコンピューティング、人間とのインタラクション、可視化、社会課題といった側面において、社会的共感と調和する形で研究が進められていることに深い印象を受けました。日本の研究者の方々との有意義な議論を通じて、私は自身のXR研究の方向性を、ヘルスケアと教育の融合領域へと見直し、認知症ケアユニットにおける医療従事者のスキル向上を目指すロールプレイ用の汎用的リアリティ・シミュレーターの活用を提唱する継続的プロジェクトを立ち上げるに至りました。

また、本プログラムを通じて、情熱あふれる専門家や研究者の方々とネットワークを築くことができ、その多くの方々とは現在も共同研究を続けています。主催者の方々が用意してくれたさまざまな文化体験に参加する中で、国際的な協力関係は、相互的な興味関心、ならびに敬意から始まるものであることを学びました。これらの経験は、プログラムの直接的な目的ではないものの、研究者および教育者としての自己形成上で大きな意味を持つものだと感じます。

現在は、XRシステムに人間中心型設計のアプローチをより多く取り入れることに注力すると同時に、学生たちに対して、技術そのものにとどまらず、より包括的な視点でデザインを考える姿勢を育むことを目指しております。将来的には、没入型テクノロジー・教育・医療といった分野でインドネシアと日本の研究コミュニティをより密接につなぐ架け橋になれれば、と考えています。

SSPにおける経験を通じて、私はテクノロジーと人間性の融合がイノベーションを促進する原動力であることに気付きました。それは単に知識を深めるだけにとどまらず、強い使命感をも私に与えてくれました。このような貴重な機会に心より感謝申し上げるとともに、今後も本プログラムの精神をさらに発展させていきたいと願っております。