メンバーズ・メッセージ
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- Bui Nam
- 所属 :
ニンビン総合病院 - 出身国・地域 :
ベトナム - 名前 :
Bui Nam
皆さん、こんにちは。 ベトナム ニンビン市にあるニンビン総合病院に所属している情報技術者のBui Namです。私は普段遠隔医療や、ニンビン総合病院と日本口唇口蓋裂財団(JCPF)間で実施されている口蓋裂手術協力に関する取組に参加しています。
2023年2月、私はさくらサイエンスプログラムに参加する機会を得ました。初めて日本に来たのですが、日本での生活、職場環境、文化を体験するたいへん貴重な経験となりました。到着日と出発日を含む日本での滞在期間は9日間で、インド、インドネシア、マレーシア、ネパール、ブータン、ベトナムから9人のメンバーが集まりました。
私たちのグループは、九州大学病院アジア遠隔医療開発センターTEMDEC(Telemedicine Development Center of Asia)で5日間の研修と実習を、残りの2日で広島を訪問しました。日本での滞在期間は約1週間と長くはありませんでしたが、このプログラムでは多くの経験をし、大きな影響を受けました。
以下にその内容をまとめました。
言語コミュニケーション(英語)
英語の重要性は周知の通りですが、自分自身への影響も大いにありました。私はニンビン市に住み、働いていますが、大都市ではないので、日々仕事で英語を使う経験やスキル、機会があまりありません。
さくらサイエンスプログラムに参加することにより、英語力を向上させ、ITや遠隔医療の分野での知識やスキルを高め、アップデートすることができたと感じました。また、JCPF(日本口唇口蓋裂財団) や他の国際機関、海外からの訪問者と病院での国際協力をサポートするのにも役立っています。
日本人の生活やワークスタイル
九州大学の同僚は親切で、何かあればすぐに助けてくれました。私たちのグループのメンバーは、出身国も異なり、多様な文化・宗教・背景から日本に来ています。祈祷、断食、食事のことで困った時は、いつも日本の友人や同僚たちがサポートしてくれました。
週末には、広島の平和記念資料館を訪問しました。原爆の被害についての忘れられない感情に加え、被爆後の広島の力強い復興は、皆が団結して助け合う心、そして日本人の強い精神・創造性があったからこそ成し得たのだと実感しました。
日本のエンジニアとの仕事を通し、彼らが非常に勤勉で、時間に正確であることを知りました。長時間熱心に働くスタッフや医師の姿を目にすることもありました。また、夜になってもTEMDECのエンジニアが、コンピューターネットワーク関連の問題を解決するために連絡をくれたこともあり、心を打たれました。
自然環境の保護
日本の自然遺産や文化遺産はたいへん良い状態に保たれており、野生生物の保護にも重点を置いていることがわかります。宮島にいる野生の鹿の姿も興味深いものでした。あらゆる場所がきれいに整っており、ゴミもありません。身の回りで目にする製品は環境に配慮されたものばかりでした。
職業倫理
日本の技術者や医師と仕事をする時、彼らがたいへん注意深く職業倫理を保っていることが分かりました。職業倫理はどの分野でも大事なことですが、特に私の専門分野である医療においては、きわめて重要です。多くの個人情報があるため、患者さんのデリケートな情報を厳守し、対応する必要があります。
メンバー間の友好関係強化
前述のとおり、今回のプログラムには様々な国のメンバーが参加しました。プログラム終了後も皆で連絡を取り合い、IT分野、遠隔医療、そしてもちろんさくらサイエンスプログラムに関連する活動を続けています。
2023年5月に開催された「第3回さくらサイエンスクラブ ベトナム同窓会」開催時、他の国の方も動画で同窓会を見てくれました。また、2023年7月にマレーシアで同窓会が開催されることも教えてくれました。
ITや遠隔診療分野での学びや経験の共有
5日間という短い期間ではありましたが、遠隔診療の最新技術に触れ、 Join-viewという画像共有のためのソフトウェアや、内視鏡検査におけるVR技術など多くのことを学びました。
遠隔医療システムに関するスキル向上
私の勤務している病院の遠隔医療機器は、ほとんどがあらかじめインストール・接続されているため、最初からインストールやセットアップができる機会はほとんどありません。TEMDECでの研修では、遠隔医療システムの設定について、図面から様々な種類の実機に至るまで実践を通して学ぶことができ、遠隔医療分野のエンジニアにとってたいへん有益なものでした。