メンバーズ・メッセージ

FY 2016
  • ジアン さん
    所属 :
    熊本大学
    出身国・地域 :
    フィリピン
    名前 :
    ジアン 

日本への留学や現在の研究にさくらサイエンスプランはどのような役割を果たしましたか?

さくらサイエンスプラン(SSP) は、自分が思っている以上のキャリアを目指せるという気付きを与えてくれました。SSPは、日本という国を短時間で体験できるように企画されており、日本の教育・文化を簡潔に解説してくれます。それは私の人生を大きく変えるような内容で、多くを吸収することができました。まず教育面では、私のキャリアの扉を開いてくれました。私が日本で取り組める研究の可能性、そして自分の取り組みが専攻分野への貢献になると確信することができました。学位を取得した後は取り組める選択肢が増えたのでキャリア目標はさらに幅広いものになりました。そこで、自分が志望するキャリア形成の道を歩み始めましたが、学生生活でやろうと思っていた以上の研究に着手することができました。一方、SSPでは日本の文化も体験したので、日本での生活様式にいっそう興味をかきたてられました。特に、日本人が史実や古代からの文化的慣習に対して深い愛着を持っていることに驚かされました。ひとことでまとめるとSSPは日本が誇る独自の科学技術人材、興味深い文化的慣行、および高度な研究施設や研究分野をバランスよく私たちに紹介してくれました。その結果、私は日本という国に対する絶大な愛や尊敬を感じるようになりました。

日本での生活についてのコメントをいただけますか?

日本での生活は、チャレンジの連続でしたが、やりがいがありました。言葉の通じない国に住むということは、私にとって最も難しい部分でした。言葉の壁は、日常生活において避けられないものです。バスに乗ったり、食料品を購入したり、道を尋ねたり、興味を表明したりする等、コミュニケーションの難しさについては枚挙にいとまがありません。しかし、私は外国人学生のための日本語クラスを受講することができたのでラッキーでした。今は日本の人々と基本的な会話をすることができることを誇りに思います。学ぶのは難しいことですが、挑戦を受け入れることで、それを打ち破ることができて、たいへんやりがいを感じました。しかしながら来日当初の数カ月間、この言葉の壁は日本でのあらゆる場面に影響を及ぼしました。研究室のメンバーや他の日本人学生との関係を築くことはほとんど不可能でした。にもかかわらず、彼らの限られた英会話力と私の初歩的な日本語で分かりあおうとがんばるにつれて、だんだんと負担は減っていきました。日本食に関しては、完全に「はまって」しまいました。お寿司、ラーメン、お好み焼き、とんかつ等々。ですが、料理好きな人の場合は、故郷の食材をスーパーマーケットを探すことは、難題でしょう。自国の食材は日本で入手できないことも多いので他の食材で代用するという創意工夫が必要になります。また、私は休みの日を利用して、日本での滞在をさらに充実させました。九州、関西、北海道の各地を訪れたことで、日本各地の様子を知ることができました。つまり、日本での生活をなるべく価値のあるものにするために挑戦し、結果として充実した時間を過ごすことができました。日本で経験した教育・文化をたいへん誇りに思い、満足しています。結局、すべてはあなた次第です。日本滞在を重荷として見るか、学生時代の忘れがたい思い出として捉えるかはあなた自身にかかっています。

これからさくらサイエンスプランに参加を希望する皆様にメッセージをお願いいたします。

「あなたが歩む道に影が落ちたのならば、どこかに必ず光がある」─この言葉を皆さんに捧げたいと思います。私たちが下す決断やキャリアにはたしかに ネガティブな側面があります。 しかし、ポジティブなことに集中しなければ、私たちは自分の人生を掴むことができません。 私たちはまわりに自分の生活を支配させてはなりません。私たちは自ら人生の責任を負うべきです。 したがって、現在直面している闇に焦点を当てるべきではありません。 揺るぎない決意を崩さなければ、きっと光の源があるはずです。 最後に、私たちのキャリア、または世界のあらゆる物事に対して私たちができる最高の貢献は、積極性を発揮することです。 世界はすでにポジティブなものでいっぱいです。私たちがどう世界を見るかによってとらえ方は変わってくるでしょう。 しかし、あなたが本当にポジティブなものを見つけることができないなら、あなた自身がポジティブな存在になってください。 そうすることによってあなたは自分にふさわしい人生を送ることができるでしょう。