メンバーズ・メッセージ
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- アルデアさん
- 所属 :
高知大学 大学院 総合人間自然科学研究科 黒潮圏総合科学専攻 - 出身国・地域 :
フィリピン(カタンドゥアネス州立大学) - 名前 :
クリスティアン・アルデアさん
日本への留学や現在の研究にさくらサイエンスプランはどのような役割を果たしましたか?
2014年の参加当時、さくらサイエンスプラン(SSP)は私により科学的なアプローチを取る手法を示してくれました。そこで会得した手法は母校に戻ったときたいへん役立ちました。短期プログラムではありましたがSSPでは手法、研究施設、プロトコルやアウトプットなど研究にかかわる重要なポイントを実地で体験することができます。実践に則る科学的な方法で研究を行う動機づけとなりました。さくらサイエンスプランから得た知識や母校での成果によって日本でさらに探求したいと思う研究分野が絞られました。体系的なフィールドサンプリング、マニピュレーション、データの徹底分析といった点で大いに影響を受けました。
日本での生活についてのコメントをいただけますか?
最初は、母国との間に多くの文化的差異があるため、日本で暮らしていて多少違和感がありました。最初の数週間、私はいつも家族のことを思い浮かべ、故郷の味を懐かしがっていました。しかし、徐々に日本食を楽しむことを覚え、今ではたいへん美味しく日本の料理を楽しんでいます。また研究面では、前もってサンプリングを実施するエリアを訪問できたり、日本語の授業を通じ日本人や留学生に交じって自分自身の考えを表現することができるようになりました。日本語クラスの外でも研究室の学生や留学生仲間の友情やアドバイスに感謝しています。日本人が親切であることをあらためて実感しています。最後に、研究室で指導してくださる先生は、底生生物研究の卓越した専門家であると同時に、常に思いやりとやる気に溢れる寛大な方です。日本語クラスの先生もたいへん忍耐強く教授法が素晴らしいです。
これからさくらサイエンスプランに参加を希望する皆様にメッセージをお願いいたします。
後輩の皆さんにはあらゆる形で研究を続けることをアドバイスしたいと思います。博士課程では科学的でスタンダードな研究プロセスが重要なため、すでに研究に従事している人の方が日本で博士課程に進みやすいでしょう。まだ学会や特定の業界に属していない場合は、自分のペースで非公式に研究活動を積み重ねていく必要があります。インターネット上では「すべきこと」「やらないほうがいいこと」、研究を行う上でのアドバイス等を簡単に探すことができます。すでに学会や業界団体に所属している場合は、研究内容を前進させるためにできる限り提案を行い、疑問を呈していくとよいでしょう。他人の意見や観察眼に怯んだり恐れたりすることはありません。私は誰もが先駆的な研究やベンチャーを生み出す力を秘めていると思います。