メンバーズ・メッセージ
-
- メイアルティさん
- 所属 :
東京大学 大学院 理学系研究科 地球惑星物理学科 - 出身国・地域 :
インドネシア(ガジャマダ大学 地理学部 環境地理学科) - 名前 :
リニ・メイアルティさん
日本への留学や現在の研究にさくらサイエンスプランはどのような役割を果たしましたか?
3年前、修士論文に取り組んでいる時、私はさくらサイエンスプラン(SSP)に参加しました。私がこのプログラムに参加した理由は、まだ修士課程に在籍している間に日本での生活や研究にかかわる大学のシステムを体験するためでした。学部生の時、私にはまだ留学する機会がなかったのです。千葉大学で実施されるSSPの選考をようやく通過できたことに感謝しています。SSPのプログラム自体は非常に短いものでしたが、私にとってはありがたい内容でした。千葉大学で開催されたプログラムには研究に直結する利点以外にも多くの素晴らしい面がありました。まずは高度な技術を通じて新しい知識を学びました。現役の教授がレクチャーを担当し、屋外の研究活動にまで同行してくれたのには感激しました。学業以外の利点については、日本国内および国際的なネットワークを拡張できる点です。私が得た経験やネットワークは将来、研究職を志す時にも非常に役立ちます。さらに、私は留学を機に独立して質素な生活を送れるようになりました。また、海外経験は祖国に対する責任や愛国心を高めます。将来、祖国へ積極的に貢献するため日本で博士課程へ進学できればそれは大きな喜びです。このような利点から、留学はあなたの心を外に向けて開く、といえるでしょう。成功するには知識だけでなく、自分の快適な領域から敢えて外へ飛び出す行動力も必要です。本来の能力を高めながらハードおよびソフトの両面で自分の弱点を克服することも大事です。このような背景から私は博士号取得のため、日本への長期留学を切望しています。
日本での生活についてのコメントをいただけますか?
奨学金を得ることができたので日本での時間は忘れられないものになりました。研究だけでなく、先生方や友人、すべてが充実していました。私の人生の目標のひとつは、留学のための奨学金を取得し、家族が誇れるような人物になることでした。私の経済的状況では完全に奨学金を付与されることを条件に渡航を考えなければなりませんでした。私はさくらサイエンスプラン(SSP)を通じて初来日を果たしました。さくらサイエンスプランは科学技術振興機構(JST)が実施している科学技術分野の国際交流プログラムです。参加が決定するまで私はガジャマダ大学地理学部による書類選考や面接など、いくつかの審査を通過しなければなりませんでした。書類選考では、履歴書、最新の英語試験スコア(TOEFL ITP)、パスポートや学生証の写し、などを提出します。当時、私はTOEFL ITPスコアで最高点を取れていたので千葉大学での交流プログラムに参加できることになったのです。
その後、私は東京大学理学部(本郷・柏キャンパス)における研究のために再来日しました。インドネシア政府奨学金と東京大学の特別奨学制度(東京大学フェローシップ)を利用して研究に参加する機会を得ました。インドネシア政府の奨学金 Beasiswa Unggulan (Unggulan Scholarship) は、教育文化省から六か月間(2017年10月18日-2018年4月30日)にわたって支給されるものです。 私の二度目の来日は奨学金によって実現しました。東大では学術論文を学会誌に発表する機会もありました。東京大学で大学院生向けの研究奨励費を得るために私はいくつかのステップを踏みました。まず、研究提案書を作成し、ガジャマダ大学と東京大学双方の担当教官から得た推薦状を提出しました。推薦状を作成してくださった先生方に感謝しています。私の研究は、地理情報学研究室で行われていました。忙しいのは平日だけなので、週末には東京周辺を訪れる時間を捻出することができました。これは、完全にスケジュールの決まった交流プログラムに参加するのとはまた異なる印象的なひとときでした。また、謙虚で規律を大切にする教授の方々は常に私たちの取り組んでいる課題を把握されていました。ひとつの課題をクリアすれば、次の目標に向かえるよう学生を導いてくれます。さらに、先生方は私の研究に常に新しいアイディアを示してくださいました。あるステップで失敗した場合でも、先生方から目標達成のための気付きを得ました。さまざまな国から来た友人がたくさんできたので、私はさくらサイエンスの、そして東京大学の研究グループの一員であることに大きな幸せを感じています。当時育んだ友情はもちろん今も続いています。
これからさくらサイエンスプランに参加を希望する皆様にメッセージをお願いいたします。
日本へ留学したいと思っているあなたへのアドバイスとしては、「自分のベストを尽くすこと」「奨学金獲得の努力をすること」そして、「目標に対してぶれずにコミットすること」です。このアドバイスを実現するには常にポジティブに自分自身を応援できるようになることです。特に両親をはじめ、家族からのサポートも不可欠だと思います。