メンバーズ・メッセージ

FY 2019
  • イマドゥディンさん
    所属 :
    京都大学大学院 エネルギー科学研究科 エネルギー社会環境科学専攻
    出身国・地域 :
    インドネシア(ガジャマダ大学 工学部 機械産業工学科)
    名前 :
    ムハマド・ハサン・イマドゥディンさん

日本への留学や現在の研究にさくらサイエンスプランはどのような役割を果たしましたか?

さくらサイエンスプラン(SSP) は、来日前の学生に興味深い視点を提供してくれるプログラムです。日本における大学の環境、研究テーマ、学生生活を紹介するのにたいへん役に立つ内容から成り立っていると思います。2014年、私は静岡大学の浜松キャンパスで実施されたSSPのプログラムに参加しました。最も記憶に残ったのは研究室訪問でした。熱伝導、磁気ベアリング、長距離通信、半導体における量子トンネリングなど、多くの研究室を訪れました。特に興味深かったのは多くの学生が今までの経歴と異なる研究分野を選んでいるということです。特に大学院生ではその傾向が顕著でした。当時私は修士課程でどの専攻を選べばいいのか迷っていました。しかし、田部研究室で量子トンネリングを専攻している先輩から「モチベーションと精神力がある限りすべてはうまくいく」という励ましの言葉を聞いたのです。結果として、研究室訪問を含むSSPは私に京都大学大学院でエネルギー社会環境科学を専攻するきっかけを与えてくれました。さくらサイエンスプランに参加した一年後、私は京都大学大学院に留学しました。

日本での生活についてのコメントをいただけますか?

私の日本での生活は本当に印象的でした。私が住んでいた京都市は伝統と近代的な要素を併せ持つ都市です。熱帯地方出身の自分にとって、季節の移り変わりは息をのむほど美しいものです─鴨川沿いの桜と琵琶湖の湖上花火、東福寺の美しい紅葉、そして雪に覆われた嵐山の竹林─平日、研究室で作業を終えた後もリラックスしたひとときを過ごせるのです。イスラム教信者としてハラル食材を探すことも特に大きな問題ではありませんでした。モスクや地元のスーパーマーケット、オンライン通販でハラル料理の材料を簡単に購入できました。修士課程在学中、教授や友人らはたいへん親切で協力的でした。学問や研究に関わることだけでなく、引っ越しや電話番号の取得など日々の生活についても助けてくれました。彼らの助けがあったため、私は安定した心で研究に集中することができました。また、日本で学ぶためにはさまざまな奨学金が用意されています。私はインドネシア政府から奨学金を受けて滞在費用に充てました。その他にも日本政府の奨学金、民間の奨学金(大塚敏美育英奨学財団、ITOEN、ソフトバンクなど)や、静岡大学アジアブリッジプログラム(ABP)のような制度に応募することもできます。来日当初、財政支援をフルに受けられない場合でも、アルバイトをすることは可能です。生活費を賄うのには十分でしょう。よって、あまり金銭面を心配しすぎず留学してみることをおすすめします。

これからさくらサイエンスプランに参加を希望する皆様にメッセージをお願いいたします。

学びたいという強い意欲を持っている人はぜひ日本に来てください! 最初の6ヶ月が最もたいへんな時期です! 厳しい意見だと思うかもしれませんが、苦労の甲斐はあります。日本では学問だけでなく、社会や文化についても学ぶことができます。私は京都大学で学んでいましたが、京都は過去の文化が現代世界と交差する非常にユニークな都市です。街中では、ショッピングセンターで浴衣姿の女性や、河原町でストリートパフォーマーをのんびりと見つめている老夫婦を目にすることもあります。人々もたいへん温かく、四季の美しさを感じると同時に日本文化の中心地であることが実感できます。長く滞在すれば、京都はきっとあなたの心の故郷になるでしょう!