同窓会
第四回マレーシア同窓会
同窓生が循環型経済の構築についてグループディスカッションを実施
2024年11月23日Eastin Hotel Kuala Lumpurにて開催されたさくらサイエンスクラブ マレーシア同窓会(MASSA)およびJST共催の第四回同窓会は100名を超える参加者を迎えることができました。四方敬之 駐マレーシア日本国大使がご臨席くださったことは主催者および全参加者にとって大きな励みとなりました。第四回同窓会のメインテーマは、「気候変動の解決策としての循環型経済:マレーシアの持続可能な開発に向けたコミュニティ支援のための産学官共同イニシアチブ」でした。
初めに2024年11月にマレーシアに着任された四方大使が、両国の強固な関係、ならびに明るい展望に触れ、SSP(さくらサイエンスプログラム)が人と人との交流を通じた貴重な人材育成プログラムの一つであると述べられました。また、今回のような会が、すべての同窓生のキャリアアップに寄与するネットワーク構築プラットフォームとして存続していることはたいへん喜ばしいとの見解を示されました。

次に、マレーシア高等教育省カリキュラム部門局長Dr. Zamzam bin Mohd Walidが環境保全に向けて特に技術教育に特化したマレーシアのpolytechnicやコミュニティカレッジで行われている取り組みについて語ってくださいました。資源効率を考慮した製造・エネルギーシステムに関わるプログラムの提供、学生が「グリーン起業」を学べるコースや産業界のメンターの下で行われるインターンシップ、コミュニティとの協働農業プロジェクトとして行われているエコファーム、といった試みが紹介されました。また、Dr. Zamzamは並外れた取り組みを示す機関にはMalaysian Polytechnic and College Community Sustainability Award.が授与されることにも言及しました。

Director of the Curriculum Department
Ministry of Higher Education
日本マレーシア友好議員連盟会長・古屋圭司 衆議院議員からも「本日の会合に参加された皆様は、日本とマレーシアの架け橋となれるでしょう」と来場した参加者に祝辞が送られました。




マレーシア同窓会(MASSA)幹事
<情報提供セッション>
在クアラルンプール日本教育情報センターの大澤宣子所長は、日本留学を奨励するため、マレーシアで中等教育を受けた後に日本で高等教育を受けるための基本的な手順について説明しました。また、大澤所長は卒業後の日本での就職率が良好であること、卒業後の在留資格を「学生」から就労関連のものへスムーズに移行できることにも言及しました。

クアラルンプール日本国際教育交流情報センター
大澤宣子所長
研究の観点からはさくらサイエンスプログラム本部 単谷調査役が新たに創設されたASEAN諸国向けの交流イニシアチブであるNEXUS Y-tec(若手人材交流・能力開発プログラム)を紹介しました。Y-tecはASEAN諸国のみを対象としており、最長1年間まで日本に滞在できるJSTの新たな長期招へいプログラムです。

JSTさくらサイエンスプログラム推進本部調査役
<シェアリングセッション>
同窓生によるシェアリングセッションでは、2023年に東京農工大学が主催したSSPに参加したマレーシア国民大学(UKM)のAssoc. Prof. Dr. Mohd Saiful Dzulkefly Zanが、母校主導の交流イニシアチブを紹介しました。UKMと農工大の間で行われている研究が最終的に埼玉大学も含む形に発展し、さらにはJSPSによる外国人招へい研究者プログラムの対象となったそうです。同准教授は、「共同教育」は共同研究と同じくらい重要であること強調しました。マレーシアと日本の学生や研究者が互いに行き来する共同の取り組みから得られる結果は、「最終的にサステナビリティーに関する政策策定に影響を与える可能性もある」、と准教授は指摘しました。

Department of Electrical, Electronic & Systems Engineering
Faculty of Engineering and Built Environment, Universiti Kebangsaan Malaysia (UKM)
<フォーカスグループディスカッション>
今回の同窓会では、あらたにフォーカスグループディスカッション(FGD)の時間が設けられ、幹事のProf. Dr. Latifah Abd Manafが司会を務めました。幹事全員が、各テーブルのファシリテーターとなり、SDGsが掲げる課題や、ソーシャルメディアおよび産官学連携といった手段を用いてどのように前進できるかについて話し合いました。

Deputy Dean (Postgraduate, Research and International)
Faculty of Forestry and Environment, Universiti Putra Malaysia
各グループの意見は教育ツール Padlet を通じて共有され、以下のような独自の意見が挙がりました。
- ●産業界および政府は、再生可能エネルギーの導入や認定プログラムを実施した団体に対し補助金などのインセンティブを提供できる。
- ●ベスト プラクティスのひとつとしては、ダイビングとゴミ拾いの両方を行っているマレーシアの女性観光ガイド団が挙げられる。ESG (環境社会ガバナンス) は SDGs と同じくらい重要。
- ●産学官が共同でソーシャルメディア上のキャンペーンを実施し、コミュニティの人々を教育・刺激・動員することができるのではないか。







フォーカスグループディスカッション(FGD)は、同窓生が互いに知り合う良いきっかけとなりました。最終的にはたいへん活発なネットワーキング・セッションへとつながり、参加者全員が楽しい一日を過ごせたように見受けられました。アンケートでは「ディスカッションとネットワーキングがもっと長くてもよかった」という回答もありました。また翌年再会できることを誓い、第四回マレーシア同窓会は、惜しまれつつ閉会しました。

Mr Muhamad Haziq Bin Shahrom Ravin Daram