同窓会

Bidisha Dey

2023年9月30日から10月3日まで、第20回STSフォーラムが京都で開催され、 私はさくらサイエンスクラブ (SSC) から選ばれた 5 人の同窓生のうちの 1 人として、ヤングリーダーズプログラム(YLP)とその後の STS フォーラムに参加しました。 3 日半にわたる経験は圧倒的で、私たちに勇気を与えてくれるものでした。アカデミア、テクノロジー、ビジネス、政治などさまざまな背景を持つ150 人余の若きリーダーと比較するとSSC からの参加者は、まだキャリアの浅い若手研究者という印象でした。

左上から(i)メインホールでの開会セッション (ii)ポスターの前でSSC同窓生と (iii) Prof. Meldalのメダルを手にして (iv) Prof. Meldalとの意見交換

初日は、ヤングリーダー同士のランチとネットワーキングセッションで始まり、そこで私たちは世界中から集まってきたさまざまな経歴の人々と出会いました。 その後、2人のノーベル賞受賞者とのオープンディスカッションに招待されました。 私のグループ(約10人)には、量子ホール効果の発見で1985年にノーベル物理学賞を受賞したProf. Klaus Von Klitzingと、2022年「クリックケミストリー」に関する発見についてノーベル化学賞を受賞したProf. Morten P. Meldalが参加してくださいました。 二人の著名な科学者と対面し、科学・社会・生活全般のさまざまなトピックについて意見を聞くことができたのは素晴らしい経験でした。 お二人は、科学者としての成果よりも科学そのものを追求すべきだという考えを持っていました。 両者とも、ノーベル賞の受賞につながった発見は偶然の産物で、当初の研究目的ではなかったと振り返りました。 また、私たちと同じように、若かりし頃は就職の見通しが不確実で研究資金や機会が不十分であったという点で、困難に見舞われましたが、忍耐で研究を続けたそうで、心強く思いました。 ファンディングに関し、Prof. Klitzingは、「深刻な社会問題に対し政府が突如として研究資金を増やすことは解決策にはならない─社会に利益をもたらすには科学に対する国民の信頼強化やインフラ増強を目指しながら、ファンディングを徐々に増やしていく必要がある」と主張しました。 Prof. Meldalは、幼い頃から子供たちに化学を教えることは、自然と社会の相互関係や人間が自然に与える影響を理解するのに役立つだろう、と述べました。 同教授はまた、研究グループのマネジメント、ならびに研究室間の競争を避けて効率的な共同研究を実施する方法について貴重な洞察を分かち合ってくださいました。また、科学論文については「単に出版することが主たる目的ではない─発見の重要性に基づいて出版されなければならない」と述べました。 受賞者のお二人は当日メダルを持参しており、幸運にも私たちはそのメダルを手に取ることができました。

STS フォーラムの主要イベントは 10 月 1 日に始まり、プレナリー・セッションと同時に複数のコンカレント・セッションが並行開催されていました。コンカレント・セッションは8つの異なる会議室で開催され、気候変動、エネルギー、教育、ダイバーシティー、デジタル社会、人工知能等さまざまなテーマに焦点を当てました。セッションは各テーブルに1、2名のパネリストを配置し、参加者とともに話し合う円卓会議形式で行われました。今回、各分野の第一人者とラウンドテーブル・ディスカッションに参加できたことは素晴らしい経験でした。 会期中のイベントには仁和寺での特別ビュッフェディナーも含まれており、そこで私たちは京都の伝統的な舞踊パフォーマンスを楽しみました。 翌日は公式ディナーとピアニスト角野隼斗氏による魅惑的なライブパフォーマンスでフォーラムが締めくくられました。