同窓会

第2回SSCインドネシア同窓会をオンラインで開催
同窓会は新幹事を迎え次のステージへ

2021年7月31日、第2回インドネシア同窓会2nd SAAI Reunion & Lessons from Japanが、インドネシア同窓会(SAAI)と国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)の共催で、オンライン上開催されました。

ウェビナー形式で行われたこの会では、SAAI現幹事であるMs. Mutiara Aulya FirdausyとMs. Alifia Zahratul Ilmiが司会を務めました。来賓・基調講演者から心に響くメッセージを賜り、同窓生が日本でのプログラム参加時の体験談を語りました。貴重なお時間を割いてご協力いただいた皆様にはJSTより心より御礼申し上げます。また、新たに選出されたインドネシア同窓会幹事の発表も行われました。

ゲストスピーカーによる基調講演「Lessons from Japan─日本からの学び」

基調講演1
山田守特命教授─山口大学大学院・創成科学研究科

山田教授はさくらサイエンスプログラムをはじめ、様々なプラットフォームを通じて、多くの研究者や学生の国際的交流・共同研究ネットワークを構築されています。

講演を通じ、山田教授は熱帯の中高温環境に適応した「中高温機能性微生物」に関する研究を紹介し─今後数十年の間にこれら微生物を利用したよりエネルギー効率の高い手法でバイオ燃料を作ることができる、と述べました。山口大学中高温微生物研究センター(RCTMR))は、この分野で国内外に類例のない研究施設だそうです。

中高温微生物研究センター
http://www.agr.yamaguchi-u.ac.jp/rctmr/index.html

基調講演2
Dr. Ahmad Ridwan Tresna Nugraha─インドネシア科学院(LIPI)物理学研究センター研究員

2人目の講演者Dr. Nugrahaは理論物理学や計算物理学を学ぶことの利点を述べ、産業界で飛躍発展が見込める材料物理学にぜひ注目してほしいと学生の視聴者に語りかけました。Dr. Nugrahaは修士号・博士号を東北大学で取得、その後も東北大学で助教を務め、人生のほぼ三分の一を日本で過ごした経歴をお持ちです。研究内容の詳細はQuantum Design and Simulation Laboratoryのウェブサイトをご覧ください。
https://quasi.id

日本に留学した同窓生によるシェアリングセッション

第1セッション Ms. Mazaya (Maya) Najmina

2015年さくらサイエンスプログラムに参加したNajminaさんは茨城県つくば市にある国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)の機能性材料研究拠点・スマートポリマーグループの研究者で、現在日本での生活と仕事を両立しエンジョイしています。積極的に学生のワークライフバランスをサポートし、社会貢献できる研究の機会を提供してくれた指導教授や研究グループのメンバーに恵まれたとのことです。現在、Najminaさんはスマートポリマー(熱や光などの環境変化に応答してその性質を変化させる刺激応答性ポリマー)を用いた乳がん治療の研究を行っています。

第2セッション:Mr. Aji Resindra Widya

同じく2015年のプログラムに参加したWidyaさんは、東京工業大学工学院システム制御コースでコンピュータビジョンとディープラーニングに関する博士号の最終学位審査を終えたばかりです。日本に来てから直面した課題をひとつひとつ乗り越え、今は日本での生活を楽しんでいると語る Widyaさん。研究活動はタスクの締め切り管理や論文の執筆で成り立っていると述べました。

パンデミックが直接仕事に影響することはありませんでしたが、日本語の習得、自身のモチベーション維持やメンタル面の管理、さらには関連分野で活躍している研究者の進捗を頭に入れておくことなど、今でも課題に直面することがあるそうです。幸いなことに Widyaさんは論文を査読する会を見つけ、そのようなコミュニティに定期的に参加しています。

第3セッション: Mr. Dieno Diba

Dibaさんは2019年にさくらサイエンスプログラムに参加しました。
現在、東京大学大学院理学系研究科・理学部・地球惑星科学専攻の修士課程に在籍しています。
また、Dibaさんは、東京大学に在籍するインドネシア人学生の協会 PPI Todaiの主席代表も務めています。

Dibaさんは、インドネシアは日本から学ぶべきことが多くあると感じています。というのも、両国ともに近年大きな津波に見舞われたからです。また指導教授が、学生と教授の間で週に一度意見交換を行う場を設けてくれたことを称賛しました。結論として、日本へ留学するには、モチベーションとワークライフバランスを保つことが大切だとDibaさんはセッションを締めくくりました。

日本学生支援機構(JASSO)による日本留学フェア

続いて、日本学生支援機構(JASSO)インドネシア事務所のMs. Rinjani Hanani Suyuが、日本への留学について申請方法等豊富なデータをもとに有益な情報提供を行いました。Ms. Suyuは無料で入手できる資料集「Study in Japan: Basic Guide」(こちらから入手可能)と公式ウェブサイト(https://www.studyinjapan.go.jp/en/)から情報収集することを奨励しました。

JASSOは昨今、無料のオンライン留学フェア「Study in Japan Virtual Fair 2021」も主催しており、大学・大学院、専門学校、日本語学校など約100の機関が参加予定です。

インドネシア同窓会新幹事の紹介

質疑応答の後、インドネシア同窓会(SAAI)の主幹事であるMs. Helen Kristinは、過去20ヶ月間一緒に同窓会を築きあげてきた現幹事に感謝するとともに、新たに選出された幹事を紹介しました。

- Mr. Kadek Hendra Darmawan (主幹事)
- Ms. Alisha Salsabila Indrawan (副幹事)
- Ms. Farhana Ibrahim Syuaib
- Ms. Karina Octavia
- Ms. Intan Puji Pratiwi

インドネシア同窓会では、6月よりインドネシアのメンバーに立候補を呼びかけ、一次選考を行ってきました。書類選考を通過した候補者は、面接を経て最終選考に進み、新たなメンバーが選ばれました。新主幹事のMr. Kadek Hendra Darmawanは、現在オランダに留学中です。DarmawanさんはSAAIをより広め、さらに良いものにできるよう努めたいと述べました。また、紛争地域での危機緩和を目的とした非営利団体で活動している新副幹事のMs. Alisha Salsabila Indrawanは、Darmawanさんの抱負に賛同しました。

Mr. Kadek Hendra Darmawan
(SAAI幹事長)
Ms. Alisha Salsabila Indrawan
(SAAI副幹事長)

各プレゼンテーションの詳細については、さくらサイエンスクラブのYouTubeチャンネルで公開されている動画をご覧ください。