同窓会

さくらサイエンスクラブ 第二回スリランカ同窓会開催

2021年6月26日、待望の第二回スリランカ同窓会が、さくらサイエンスクラブスリランカ同窓会(SSCAASL)、National Science Foundation Sri Lanka (NSF)、科学技術振興機構(JST)、三者の共催でオンライン上開催されました。 NSF International Liaison Office統括者であるMr. J.G. Shanta Siriがモデレーターを務めました。 Dr. Thamara Dias, NSF Additional Directorと岸 輝雄 さくらサイエンスプログラム本部長の開会挨拶後、小渕優子衆議院議員(日本スリランカ友好議員連盟事務局長)、在スリランカ日本大使館 杉山明大使 、駐日スリランカ大使館Sanjiv Gunasekara大使、から心温まる応援のメッセージを賜りました。

招待講演者からのメッセージ─日本で得られる学びの機会

Prof. Monte Cassim
最初のゲストスピーカーは、秋田国際教養大学Monte Cassim学長でした。ご自身の来日が人生の流れを変えたことを明かし、スリランカの学生に日本で得られる素晴らしい学びの機会について伝えてくださいました。「学問で卓越することも大事であるが、ものごとの全体像を見るように」と学生を諭しました。
Prof. Monte Cassim発表資料

Dr. H.D. Karunaratne
在コロンボの東京大学スリランカ事務所所長であるDr. Karunaratneは、“Study in Japan Global Network Project”を通じてスリラン全域の高校生に対し日本での機会について情報提供を行っていることを紹介しました。 現在までスリランカ国内で46のプログラムを実施し、5,800人以上の学生と相互にコミュニケーションを取ってきました。 東京大学スリランカ事務所は学部レベル・大学院レベルの内容を英語で学べるPEAKプログラム(Programs in English at Komaba)への進学を支援しています。博士は、「近い将来、日本に留学する優秀な学生の数を増やすことができる」と期待しています。

JST国際共同研究枠組への参加呼び掛け

続いてはJSTから国際共同研究を促進する二つのファンディング制度の紹介がありました。 川端賢氏(e-ASIA JRP事務局スペシャル・プログラム・コーディネーター)からはe-ASIA JRP、青木一彦氏(インドリエゾンオフィサー)からはSATREPSの紹介があり、スリランカの研究者に公募への参加を広く呼びかけました。

休憩時間中は2019年12月、プログラムに参加した同窓生Dhaneja Meegodaさんが作成した短編動画が放映されました。そして、ウェビナー最終部では、3人のスリランカ同窓生がプログラムで得た気づきや今後の展望について語りました。

同窓生による発表─さくらサイエンスで得たものおよび交流プログラムの将来像

Ms. Amali Herath
Herathさんはまず、さくらサイエンスプログラムが自分のキャリア形成に影響を与えた点について言及しました。 2018年、Herathさんはモラトゥワ大学機械工学部の学部生として九州の宮崎大学で10日間のプログラムに参加しました。 意見交換や共同研究が社会に役立つ製品開発つながること、そしてそのような製品が自らの文化的価値観感に忠実な研究者によって設計され、真に人のためになる製品作りが成り立っていることをこのプログラムを通じて学んだ、と語りました。

Mr. Charith Premachandra
同時期に宮崎大学を訪問したPremachandraさんは、さくらサイエンスが若手研究者にさらに多くの機会を提供できるようプログラムの改善策を示しました。そしてプレゼンテーションの中でスリランカにおける工学教育を紹介しました。スリランカの公立大学には6つの工学系学部があり、年間約2000人の学生が入学しています。リソースが限られているにもかかわらず、スリランカの学生は無人航空機やF1カー製作など優れた業績を上げているため、卒業生の9割以上が卒業後、直ちに雇用されているそうです。

Preamachandraさんは今後プログラムを強化するため以下4点のアイディアを提案しました。

1)学部生・若手研究者が日本の一流大学で経験を積むために、プログラムの参加枠を増やすこと。
2)特に学生が大学院での指導教官を探しやすくなるよう、プログラムを通じたサポート制度を確立すること。
3)日本でインターンシップの機会を創出すること。
4)優秀な卒業生研究者を日本に呼び戻し、二国間協力を強化すること。

Dr. Nanda Gunawardhana
最後の講演者は、Sri Lanka Technological Campus (SLTC) でDirector of International Affairs and Researchを務める Nanda Gunawardhana博士でした。

2013年に発足したSri Lanka-Japan Study Center (SLJSC)を紹介しました。SLJSCは研究協力を強化し、両国の大学間の交流プログラムを支援する組織です。 2017年以来、SLJSCは日本の大学で工学を体験するためにいくつかの学生グループを派遣しています。これまでに多くの参加者・関係者から高い評価を受けています。

博士は今後、さくらサイエンスを南アジアで最も活発な交流プログラムのひとつにしたいと考えています。また、さくらサイエンスハイスクールプログラムの一環として、JSTとNSFが共同で学生向けのオンラインコースや交流会、そして日本人学者を講師に迎えるオンライン講義を提供できないだろうか、と提案しました。

閉会挨拶としては、さくらサイエンスプログラム推進本部上席フェロー企画運営室 黒木慎一室長とNSF Senior Scientific Officer兼スリランカ同窓会(SCAASL)幹事長であるDilrukshi Ekanayake氏が感謝の意を表し、ウェビナー成功の祝辞を述べました。会の詳細はSSC YouTube Channelで公開されている収録動画をご覧ください。