2024年度 活動レポート 第11号:富山高等専門学校

2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第11号 (Aコース)

インドNESラトナム芸術科学商業大学一行を迎えて

富山高等専門学校 物質化学工学科
教授 津森 展子さんからの報告

 富山高等専門学校では2024年9月16日~9月22日、インドNESラトナム芸術科学商業大学の学生7名、教員5名を招へいし(自己資金による招へい含む)、A.科学技術体験コースのプログラムを実施した。

【初日】

 成田空港第一ターミナルにて一行を迎えた後、国立科学博物館を見学した。ラトナム大学の学生は、博物館展示のなかで日本の東北部と西南部の椿の形体が異なるという説明を聞いて、南北に長い日本の地形について理解を深めた。

【2日目:歓迎レセプション】

 新幹線で富山へ移動し、富山高等専門学校 本郷キャンパスへ昼過ぎに到着した。学校内と本郷キャンパスの各学科(機械システム工学科、電気制御システム工学科、物質化学工学科)を案内した。歓迎レセプションでは、ラトナム大学生と富山高専生双方が英語で自己紹介を行った。

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歓迎レセプションの様子

【3日目:研究実験体験】

 ラトナム大学生が2~3名ずつのグループに分かれて「①アスピリンの定量分析」「②触媒を使用した水素含有化合物からの水素発生反応と燃料電池の動作」「③温度応答性ポリマーの特性と確認」の3つのテーマの実験に挑んだ。それぞれのテーマごとに本校学生がサポーターとして参加し、ラトナム大生とコミュニケーションを取りながら作業を進めた。

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実験の様子

【4日目:成果発表】

 各テーマのグループごとに英語で成果発表を行った。各テーマ10分程度の発表であったが、発表に用いられたパワーポイントの完成度は高く、また質疑応答では日本の学生からの質問に、ラトナム大生が回答するなど、活発な意見交換が行われた。発表会は、ラトナム大学の校長先生ヴィニタ・デュリア氏より講評を得て終了した。その後、引率教員のジャヤシュリ氏よりラトナム大学での折り紙を使用した化学構造の講義があった。日本人学生・教員からの関心が高く、これについて意見交換がなされた。

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成果発表の様子

 発表会の後には、さくらサイエンスプログラム修了証の贈呈と交流会が催された。交流会では富山高専生とラトナム大学生による学校行事や日常生活についてのプレゼンテーションがなされた。このころにはラトナム大学生と本校学生の間でかなり親密に会話が交わされるようになっていて、ラトナム大学生とSNSのアカウントを交換して、今もプライベートでも交流している学生が複数人いる。

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【5日目:射水キャンパス】

 本郷キャンパスから射水キャンパスへバスで移動し、各学科(商船学科、国際ビジネス学科、電子情報工学科)を案内した。特に商船学科の大画面モニターによるシミュレーション航海システム装置にはラトナム大学の方々は、目を見張っていた。その後、校長室を表敬訪問し、本校校長から記念品の授与を行った。射水キャンパスを後にし、渡船経由で海王丸パークを訪問した。そこではラトナム大学の方々に対し本校校長が直々に海王丸の内部を案内した。

【6日目:黒部ダム見学】

 ラトナム大学の一行を黒部ダムへ案内した。本校学生も8名同行したことで、双方の学生とスタッフは道中にぎやかに談笑しながら景観を楽しみ、まるで旧来の友人のように写真を取り合っていた。午後からは天気が崩れ雨模様となったが、終始みんなの笑顔が見られた。富山駅では双方の学生たちは手を握り合い、肩を抱き合って別れを惜しんだ。その日は、新幹線で上野まで行き、明日の飛行機搭乗のために上野のホテルに宿泊した。

【7日目】

 成田空港へ移動した。第一ターミナル4階のチェックインカウンターから手続きを済ませ出てきたラトナム大学の一行と、最後の集合写真を撮り、手荷物検査場へ入っていく後姿を見送った。

 今回のさくらサイエンスプロジェクトの取り組みによって、NESラトナム芸術科学商業大学と富山高等専門学校間の交流について、MoU(Memorandum of Understanding)を視野に入れた動きが活発化している。

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成田空港にて

■JST広報チームによる[取材Note]
https://ssp.jst.go.jp/note/2024/n_vol002.html