2023年度 活動レポート 第5グループ:NIMSで世界トップレベルの材料研究を学ぶ

さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第5グループ

NIMSで世界トップレベルの材料研究を学ぶ

 8月2日(水)午後、SSHP第5グループのうち、フィリピン・シンガポールの高校生ら45名は、物質・材料研究機構(NIMS:つくば市)を訪問しました。NIMSは日本で唯一のマテリアル・サイエンス専門の国立研究機関で、これまでも物質・材料に関する画期的な研究成果をあげています。

活動レポート写真1
NIMSの説明を熱心に聞く高校生たち

 まず打越哲郎博士から歓迎の挨拶とNIMSの概要説明があったのち、タイのEKSATIT博士研究員から、かつてさくらサイエンスプログラム(SSP)で来日したのがきっかけで、NIMSの大学連携プログラム(NIMS Student Program)に応募し博士号を取得、その後同機構で研究を続けているとの自己紹介がありました。スタートしてから約10年となるSSP事業ですが、そのミッションが実際の形となって実現しているのを見て、高校生たちもSSHPに参加する意義がより深まったのではないでしょうか。

活動レポート写真2
高校生たちに自己紹介をするタイのEKSATIT博士研究員
2017年度にNIMSで実施されたプログラムに参加された、さくらサイエンスプログラムの同窓生です。)

 その後、3班に分かれて、ラボを見学。"Data Science for polymer materials"では、複雑な要素が絡み合う高分子の材料開発においてデータサイエンスを駆使した開発手法の説明とその様子を見学。また、"Luminous nanoparticles"では物質をナノサイズにすると発光するという解説の後、実際にシリコンのナノ粒子が光る様子を体験しました。

活動レポート写真3
"Data Science for polymer materials"のラボ見学
活動レポート写真4
"Luminous nanoparticles"に関するラボ見学

 また、“Hydrogen microscope(水素顕微鏡)”では、来る水素社会に備え、金属をもろくする大きな原因のひとつである水素の動きを可視化し、観察できるオペランド水素顕微鏡について学びました。いずれもかなり専門的な内容でしたが、高校生たちは熱心に質問をしたり、メモを取ったり、またしきりに感心したり、マテリアル・サイエンス研究の奥深さと世界トップクラスの研究内容に触れることができた訪問となりました。

活動レポート写真5
水素顕微鏡のラボ見学前に水素に関するミニレクチャー
活動レポート写真6
開発者の板倉明子特別研究員からオペランド水素顕微鏡の説明
活動レポート写真7