2019年度活動レポート(一般公募コース)第247号 (Aコース)
UEC・KMUTNB先進ものづくりを支える材料加工と生産技術の研究交流
UEC・KMUEC−KMUTNB International Academic Exchange on Advanced Materials Science and Industrial Technology
電気通信大学国際教育センターからの報告
2019年10月20日~26日の7日間、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、キングモンクット工科大学北バンコク校(KMUTNB、タイ王国)の工学部材料生産工学科(機械、材料、生産分野)から学部4年の学生10名と教員1名を招へいし、電気通信大学(UEC)の機械知能システム学専攻の研究室を訪問し、本学の強みの一つであり日本が世界をリードしている「ものづくり」について研修を行いました。
JSTさくらサイエンスプログラムでの来訪者数は、当プログラムで3万人に達しました。それを記念して、招へい学生はJSTの甲田理事一同とともに萩生田文科大臣を表敬訪問するという素晴らしい経験が得られました。招へい学生達は萩生田大臣に「日本の大学での先端研究を学ぶ機会をいただき、将来日本に戻り留学生として日本の大学で学べたらと考えている」と日本での体験や今後への期待を述べました。
本交流プログラムの概要は以下の通りです。
1日目
① オリエンテーション(全体予定説明と自己紹介)
② 電気通信大学の概要と短期交換プログラム説明 (JUSST短期交換学生と対談)
③ KMUTNB大学の概要と留学プログラム紹介
④ 電気通信大学の日本人学生との交流会
2日目
① 日本語・日本文化研修(国際教育センター笠原教授)
② 日本科学未来館を見学(ロボット、生活、環境から宇宙までの最先端と未来のテクノロジー)
③ 千葉工業大学東京スカイツリータウンキャンパスを見学(災害対策ロボット、惑星探査研究「はやぶさ2」プロジェクトの成果)
3日目
① 文部科学省・情報ひろばを見学(文部科学省の今と昔をテーマとした展示とイベント)
② 文部科学省表敬訪問(さくらサイエンスによる招へい者3万人記念として文部科学省を訪れ、萩生田文科大臣を表敬訪問)
③ 「先端加工技術と低環境負荷材料」研究室を見学(機械知能システム学専攻:久保木 孝 教授、梶川 翔平 助教)
④ 電気通信大学合気道部学生との交流と合気道体験(合気道部顧問による解説)
4日目
① 「先進ものづくりを支える材料加工と生産技術」シンポジウム(午前の部)
② 「先進ものづくりを支える材料加工と生産技術」シンポジウム(午後の部)
KMUTNBの工学部材料生産工学科とUECの機械知能システム学専攻(久保木・梶川研究室と森重研究室)によるシンポジウムを開催しました。シンポジウムの研究成果発表は以下の通りです。
午前の部
- Reduction of Aluminum Tube Using Planetary Ball Dies, Takayuki Ikeda (Kuboki−Kajikawa Lab, UEC)
- Reverse Engineering on Shaft Seal for Moving Agricultural Machinery, Kittinun Tonpraseart, (KMUTNB)
- Effect of Shape on Defect Phenomena in Small Diameter Bending of Thin Copper Tube, Masato Araki (Kuboki−Kajikawa Lab, UEC)
- The Adhesion of Oxide Scales to the Hot−Rolled Steel Strips, Sun Naipinij, Ravinupha Namprai, Sasapan Suk−ieam (KMUTNB)
- Tool Path Generation for 5−Axis Controlled Machining of Free−Form Surface Using Barrel Tool, Suzuki Tomonobu (Morishige Lab, UEC)
- Properties of Extruded PLA Filament Mixed with Brass Powder, Suthinat Kueachuai (KMUTNB)
- Development of Tube Expansion Drawing, Hikaru Kawaguchi (Kuboki−Kajikawa Lab, UEC)
午後の部
- Relationship between Tool Posture and Cutting Surface in Tilt Milling with Ball End Mill, Terada Mitsuru (Morishige Lab, UEC)
- Effect of Hydrazine Hydrate on Hydrothermal Blackening Process, Korbkaroon Doungkeaw (KMUTNB)
- Finite Element Analysis of Spinner Straightening by Dynamic Explicit Method, Keiichiro Kawasaki (Kuboki−Kajikawa Lab, UEC)
- Properties of PLA/Silk Fiber Bio−Based Composites, Lalita Sila, Sukunya Pathompakawant (KMUTNB)
- Investigation of Internal Fracture Factor in Form Rolling Process, Waka Matsumura (Kuboki−Kajikawa Lab, UEC)
- Antibacterial natural rubber latex medical gloves; Preparation and Properties, Nichakan Panichkul (KMUTNB)
- Examination of the Proper Joining Condition in the Half−Lap Joint of 2 Indonesian−Made Ulin Wood, Yoichiro Hara (Kuboki−Kajikawa Lab, UEC)
- Study on Polymer/Hemp Composites, Kanawut Jantakham (KMUTNB)
5日目
① 「高能率かつ高精度な加工技術」研究室を見学(機械知能システム学専攻:森重 功一 教授)
② UECコミュニケーションミュージアムを見学(通信技術の発展の歴史について研修)
③ KMUTNBの参加学生によるプログラム成果報告会
④ 閉会式(さくらサイエンスプログラム修了証書授与と送別会)
1週間という短い期間でしたが、今回のプログラムにより、招へい者は電気通信大学の機械知能システム学専攻を中心に教員や学生と交流しながら日本のものづくりを支える材料加工と生産技術に触れました。両校の学生と若手研究者がものづくりを支える材料加工と生産技術に関する研究の現在と将来について活発に議論し、情報交換を行いました。これを機にさらなる両校の相互の連携を図りつつ、学生交流・学術研究交流も一層活発に展開していくことが期待されます。
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