教育および科学技術に関する各国・地域の調査結果

フィリピン共和国Republic of the Philippines.

Ⅰ 当該国・地域の基本指標

Ⅰ-1 概要

項目 概要 備考
人口(千人) 108,117 2019年
名目GDP(百万USドル) 359,354 2019年
名目GNI(百万USドル) 430,842 2019年

(出典:国連 資料:GLOBAL NOTE)

Ⅰ-2 初等教育から始まる学校制度

項目 概要
学校制度 6・4・4・2制
学校年度 6月~翌年3月
学期制 【2学期制】
6月~10月,10月~翌年3月
【概要】

 フィリピンの義務教育は5~18歳の13年で、就学前の1年、初等学校(6年)及び中等学校(6年)からなる。中等学校は、前期4年(Junior High School)と後期2年(High School)に分かれる。高等教育には、大学、短期大学があり、学士課程は4~6年となっている。
 基礎教育として,幼児教育,初等教育及び中等教育に見られる正規の教育制度とともに,主に基礎的な読み書きができることになるような課程を有し,ゲーム,歌,ダンスを通じて,母国語を取得することに特徴がある。
 2011年6月,教育制度改革が行われ,それまでの義務教育期間(Elementary School 6年,High School4年の計10年間)が見直され,Kindergarten1年,Elementary School 6年,Junior High School4年,High School 2年の計13年間に伸長する法律が施行された(一部の学校では2012年から導入。)
 フィリピンの教育は,50年に及ぶアメリカの植民地の影響を受けた公立系と,300年に及ぶスペインの植民地時代のカトリック教会によって施された教育の流れを汲む私立系とに大別される。公立初等教育制度は1902年に導入された。
 2017年10月現在,フィリピン国内には,5、965の公立校及び4,910の私立校,計10,875校が存在する。なお,現地校は,大学進学を目的とする普通科のほか,工業・商業,体育,芸術分野等の専門職業に特化した分野を構築するなど,各校それぞれに特色を持ち,また高校卒業資格が付与できるプログラムを提供している。

(出典:外務省HP)
学校系統図
別添データ「初等から始まる学校制度(文部科学省)」参照
(出典:文部科学省HP)
取得可能な資格・学位
別添データ「初等から始まる学校制度(文部科学省)」参照
(出典:文部科学省HP)

Ⅰ-3 初等~中等後教育までの生徒数・学生数

教育別 生徒数・学生数 年次 備考
初等教育(人) 13,418,841 2018年 ISCED1に相当
前期中等教育(人) 7,826,794 2018年 ISCED2に相当
後期中等教育(人) 2,735,683 2018年 ISCED3に相当
中等以降高等以前教育(人) 1,059,818 2017年 ISCED4に相当
(出典:The World Bank)
*Primary EducationはISCED1に相当
*Lower Secondary EducationはISCED2に相当
*Upper Secondary EducationはISCED3に相当
*Post-Secondary Non-Tertiary EducationはISCED4に相当

Ⅰ-4 初等~中等後教育までの就学率

教育別 就学率 年次 備考
初等教育(%) 101.86222 2018年 ISCED1に相当
前期中等教育(%) 92.8941 2018年 ISCED2に相当
後期中等教育(%) 66.04604 2018年 ISCED3に相当
中等以降高等以前教育(%) 26.03664 2017年 ISCED4に相当
(出典:The World Bank)

Ⅰ-5 初等~中等後教育までの女子生徒率

教育別 女子生徒率 年次 備考
初等教育(%) 99.86927 2018年 ISCED1に相当
前期中等教育(%) 96.69299 2018年 ISCED2に相当
後期中等教育(%) 72.26382 2018年 ISCED3に相当
中等以降高等以前教育(%) 26.27781 2017年 ISCED4に相当
(出典:The World Bank)

Ⅱ 中等・高等教育に関わる制度・状況

a.全般

1.関係する行政機関とその概要

 教育省(Department of Education)が教育行政を担っている。なお、高等教育については、高等教育委員会(Commission on Higher Education :CHEDが基本方針の策定等の役割を担っている。

2.優秀な人材を輩出するための基本計画等とその概要

 上記のCHEDがィリピンの高等教育の弱点を改革し、高等教育システム全体として結果により高い責任を持つように方向性を調整する目的で「高等教育改革アジェンダ (HERA)」を策定している。その主要な内容は、① 地域のシステムと、指定機関に沿った合併による高等教育機関の再構築、➁ 高等教育機関(HEIs)の開発・実施、及び品質保障を支えるインセンティブの仕組みの開発、③学生が過剰 (oversubscribed)状態で非効率、重複するプログラムについて停止/徐々に廃止するプログラムの合理化、④ 公立・私立の高等教育機関(HEI)の調和を通じて、高等教育を平準化、⑤基礎教育との連携の制度化と強化などである。(JICA 2015)

(出典: JICA資料に基づきJISTEC作成)
3.年間スケジュール(学期、休暇情報)
年間スケジュール
別添データ「②-a-3_年間スケジュール(学期、休暇情報)」参照
(出典:外務省HPのデータに基づきJISTEC作成)

b.中等教育

項目 後期中等教育
就学者数
中等以降
高等以前教育
就学者数
備考
1.高校数(校)*1 10,875
2.高校生徒数(人)*2 2,735,683 1,059,818 2018年
*1(出典:Ministry of Education(MOE)) *2(出典:The World Bank)
3.高校ランキング/トップクラスの高校

 ・データ無し

c. 高等教育

1.大学進学率、大学院進学率
項目 進学率 備考
1.大学進学率(%)*1 35.48
2.大学院進学率(%)*2
*1(出典:UNESCO 2019年) *2(出典:OECD)
2.国・公・私立の各大学数、大学学生数、大学院学生数
項目 国立 公立 私立
大学数(校)
学生数(短期高等教育)(人) 173,349
学生数(学士)(人) 3,155,957
学生数(修士)(人) 236,351
学生数(博士)(人) 23,827

(出典:The World Bank 2017年)

3.国立大学、トップ私立大学の授業料
項目 概要 備考
国立大学の授業料
トップ私立大学の授業料
4.大学ランキング/トップクラスの大学

*別添データ「②-c-4 _大学ランキング・トップクラスの大学」参照
 ・トップ4校を記載。
(出典:QSランキング、Times Higher Education (THE)ランキング、Academic Ranking of World Universities(ARWU)のランキング情報に基づきJISTEC作成)

5.海外の大学・大学院への留学生数および主要な留学先
留学先 留学生数(人)
1 18,859
(出典:UNESCO 2018年のデータに基づきJISTEC作成)
6.日本の大学・大学院への留学生および主要な留学先
大学名 留学生数(人) 備考
総数 2,852 2019年
東京大学 47 2020年11月1日時点
大阪大学 42 2020年5月1日時点
早稲田大学 23
京都大学 20 2020年5月1日時点
九州大学 15
東北大学 15

*別添データ「②-c-6 日本の大学・大学院への留学生数」、「②-c-6_日本の大学大学院への留学生および主要な留学先」参照
(出典:独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) 「2019(令和元)年度 外国人留学生在籍状況調査結果」のデータ及び各大学HPに基づきJISTEC作成)

7.日本への留学の多い大学の名称および専攻分野
大学名 日本への留学生数(人)
1
8.日本の教育・研究機関と協力協定等を締結している大学

別添データ「②-c-8 _日本の教育・研究機関と協力協定等を締結している大学」参照
(出典:文部科学省「海外の大学との大学間交流協定、海外における拠点に関する調査結果」(平成29度)のデータに基づきJISTEC作成)