教育および科学技術に関する各国・地域の調査結果

ミャンマー連邦共和国Republic of the Union of Myanmar

Ⅰ 当該国・地域の基本指標

Ⅰ-1 概要

項目 概要 備考
人口(千人) 54,045 2019年
名目GDP(百万USドル) 76,785 2019年
名目GNI(百万USドル) 73,965 2019年

(出典:国連 資料:GLOBAL NOTE)

Ⅰ-2 初等教育から始まる学校制度

項目 概要
学校制度 6(KG+5)・4・2・4制
学校年度 6月初め~3月中旬
学期制 【3学期制】
1学期:6月~10月
2学期:11月~12月
3学期:1月~3月
(4、5月が夏休みとなる)
【概要】

 ミャンマーの義務教育は、5~10歳の5年間で、初等学校で行われる。中等教育は、前期中等学校(4年間)と後期中等学校(2年間)からなる。高等教育は、大学、短期大学及び高等専門学校で行われる。学士課程は3~6年である。各学校はすべて政府の統括下にあり、教育方針や教育課程などは教育省が管轄している。
 政府は1980年代から初等教育の充実に力を入れており、開設した小学校の数は31,496(1989年)から45,387(2016年)まで増加した。小学校の就学率は87%(2014)である。2001年度からは、1年生から11年生までの進級および11年生修了について、各教科修了テスト及び学年末試験により児童生徒の学力を評価する「学力継続評価制度」を実施している。留年者を多く出していた学年末試験による進級制度は1997年度までに廃止された。大学入学試験については、11年生卒業と大学入試を兼ねた、ミャンマ-試験委員会による「全国共通試験」が実施されている。
 ミャンマーは仏教国でもあることから、一般的に親は教師に協力的であり、親子とも教師に対し尊敬の念を持って接している。また教育省に承認された宗教省の僧院教育も存在しており、僧院長たる僧侶が寄付金等で経営をする僧院付属小学校、中学校、高等学校がある。これらの学校は、生活に困窮している子供たちの就学を目的としており、学費は無料となっている。僧院付属学校数はミャンマー全国で1,531校(2015)ある。

(出典:外務省HP)
学校系統図
別添データ「初等から始まる学校制度(文部科学省)」参照
(出典:文部科学省HP)
取得可能な資格・学位
別添データ「初等から始まる学校制度(文部科学省)」参照
(出典:文部科学省HP)

Ⅰ-3 初等~中等後教育までの生徒数・学生数

教育別 生徒数・学生数 年次 備考
初等教育(人) 5,299,765 2018年 ISCED1に相当
前期中等教育(人) 3,058,732 2018年 ISCED2に相当
後期中等教育(人) 1,128,010 2018年 ISCED3に相当
中等以降高等以前教育(人) 22,280 2017年 ISCED4に相当
(出典:The World Bank)
*Primary EducationはISCED1に相当
*Lower Secondary EducationはISCED2に相当
*Upper Secondary EducationはISCED3に相当
*Post-Secondary Non-Tertiary EducationはISCED4に相当

Ⅰ-4 初等~中等後教育までの就学率

教育別 就学率 年次 備考
初等教育(%) 112.30667 2018年 ISCED1に相当
前期中等教育(%) 75.61525 2018年 ISCED2に相当
後期中等教育(%) 54.42622 2018年 ISCED3に相当
中等以降高等以前教育(%) 1.10664 2017年 ISCED4に相当
(出典:The World Bank)

Ⅰ-5 初等~中等後教育までの女子生徒率

教育別 女子生徒率 年次 備考
初等教育(%) 109.73606 2018年 ISCED1に相当
前期中等教育(%) 77.50473 2018年 ISCED2に相当
後期中等教育(%) 59.20405 2018年 ISCED3に相当
中等以降高等以前教育(%) 1.07835 2017年 ISCED4に相当
(出典:The World Bank)

Ⅱ 中等・高等教育に関わる制度・状況

a.全般

1.関係する行政機関とその概要

 教育省(Ministry of Education)*が教育行政を担っている。
 *URL:http://www.most.gov.mm/

2.優秀な人材を輩出するための基本計画等とその概要

 次期国家開発計画に向けた基礎教育、高等教育の重要項目として、基礎教育については、(1) 初等義務教育の効果的実践、(2) 前期・後期中等教育の就学維持のための活動を監督すること、(3) 基礎教育レベルにおける奨学金、給付金プログラムの効果的実施、(4) 基礎教育初等レベルにおける児童中心型教育 (Child Centered Approach: CCA) の効果的実施、(5) ECCD (Early Childhood Care and Developmet)の全国的展開などが挙げられている。また、高等教育については、(1) 教育を国際的水準に引き上げる計画、(2) 英語教育強化計画、(3) 国際関係、法律、経済学の教育強化の計画、(4) 人的資源開発計画に従って、短期間で経済産業セクターの開発に必要な中間レベルの技能者、労働者を育成することのできる職業技術教育訓練(Technical Vocational Education and Training: TVET) の拡充、(5) 海外の大学とのネットワークを強化することなどが挙げられている。

(出典:「ミャンマー国教育セクター情報収集・確認調査 ファイナルレポート」(JICA、2013年)に基づきJISTEC作成)
3.年間スケジュール(学期、休暇情報)
年間スケジュール
別添データ「②-a-3_年間スケジュール(学期、休暇情報)」参照
(出典:外務省HPのデータに基づきJISTEC作成)

b.中等教育

項目 後期中等教育
就学者数
中等以降
高等以前教育
就学者数
1.高校数(校)
2.高校生徒数(人) 1,128,010 22,280
(出典:The World Bank 2018年)
3.高校ランキング/トップクラスの高校

 ・データ無し

c. 高等教育

1.大学進学率、大学院進学率
項目 進学率 年次
1.大学進学率(%)*1 18.82 2019年
2.大学院進学率(%)*2
*1(出典:UNESCO 2019年) *2(出典:OECD)
2.国・公・私立の各大学数、大学学生数、大学院学生数
項目 国立 公立 私立
大学数(校)
学生数(短期高等教育)(人) 28,258
学生数(学士)(人) 884,272
学生数(修士)(人) 16,884
学生数(博士)(人) 2,785

(出典:The World Bank 2018年)

3.国立大学、トップ私立大学の授業料
項目 概要 備考
国立大学の授業料
トップ私立大学の授業料
4.大学ランキング/トップクラスの大学

(出典:QSランキング、Times Higher Education (THE)ランキング、Academic Ranking of World Universities(ARWU)のランキング情報に基づきJISTEC作成)

5.海外の大学・大学院への留学生数および主要な留学先
留学先 留学生数(人)
1 10,277
(出典:UNESCO 2018年のデータに基づきJISTEC作成)
6.日本の大学・大学院への留学生および主要な留学先
大学名 留学生数(人) 備考
総数 5,383 2019年
九州大学 41
京都大学 30 2020年5月1日時点
早稲田大学 29
立命館アジア太平洋大学 16 2020年5月1日時点
立命館大学 15 2020年5月1日時点

*別添データ「②-c-6 日本の大学・大学院への留学生数」、「②-c-6_日本の大学大学院への留学生および主要な留学先」参照
(出典:独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) 「2019(令和元)年度 外国人留学生在籍状況調査結果」のデータ及び各大学HPに基づきJISTEC作成)

7.日本への留学の多い大学の名称および専攻分野
大学名 日本への留学生数(人)
1
8.日本の教育・研究機関と協力協定等を締結している大学

別添データ「②-c-8 _日本の教育・研究機関と協力協定等を締結している大学」参照
(出典:文部科学省「海外の大学との大学間交流協定、海外における拠点に関する調査結果」(平成29度)のデータに基づきJISTEC作成)