中華人民共和国Country name
Ⅰ 当該国・地域の基本指標
Ⅰ-1 概要
項目 | 概要 | 備考 |
---|---|---|
人口(千人) | 1,433,784 | 2019年 |
名目GDP(百万USドル) | 14,342,934 | 2019年 |
名目GNI(百万USドル) | 14,309,117 | 2019年 |
(出典:国連 資料:GLOBAL NOTE)
Ⅰ-2 初等教育から始まる学校制度
項目 | 概要 |
---|---|
学校制度 | 6・3・3・4制(一部地域で5・4・3・4制) |
学校年度 | 9月1日~7月中旬 |
学期制 | 【2学期制】 1学期:9月1日~1月中旬 2学期:2月中旬~7月中旬 |
【概要】
中国の義務教育は、6~15歳の9年間である。小学校は6年制であるが、一部に5年制、9年一貫制の学校もある。中等教育は初級中学(3~4年)、その後、高級中学(3年)と中等専門学校(3~4年)などに分かれる。高等教育は、大学、専科学校、職業技術学院で行われる。学士課程(本科)は4~5年である。
1978年以降の改革開放政策のもとで、教育は重要な政策的課題として位置づけられた。特に、創造性を中心に据えた「資質教育」の全面的推進という方向での改革が進められている。義務教育の普及がほぼ達成された現在、初等・中等教育における最重要課題は、地域間格差の是正や教育機会の公平化である。2006年には、義務教育法を改正、同年施行し、これまでの18条の簡単な条文から、全体で63条と大幅に増やし充実を図っている。また、2010年7月に策定された2020年までの教育発展計画である「国家中長期教育改革・発展計画綱要」及び2017年1月に公表された「国家教育事業発展13次5カ年計画」(2016-2020)に基づいた教育施策が展開されている。
9年制義務教育は、農村部から段階的に無償化を進めてきており、2008年9月には全面無償化の方針が打ち出された。今後は各地域での普及と定着が重点とされている。都市部では、現在の課題は受験競争の激化、およびこれに伴う学習負担の増加や教育費の増加、知育偏重の傾向などである。特に生活水準の著しい向上と子供への大きな期待が相まって、児童生徒の受験競争は日本以上であると言われている。
英語教育は小学校3年生から、都市部ではそれ以下から行われている。
Ⅰ-3 初等~中等後教育までの生徒数・学生数
教育別 | 生徒数・学生数 | 年次 | 備考 |
---|---|---|---|
初等教育(人) | 104,325,244 | 2019年 | ISCED1に相当 |
前期中等教育(人) | 46,744,505 | 2019年 | ISCED2に相当 |
後期中等教育(人) | 39,357,192 | 2019年 | ISCED3に相当 |
中等以降高等以前教育(人) | 996,403 | 2019年 | ISCED4に相当 |
*Primary EducationはISCED1に相当
*Lower Secondary EducationはISCED2に相当
*Upper Secondary EducationはISCED3に相当
*Post-Secondary Non-Tertiary EducationはISCED4に相当
Ⅰ-4 初等~中等後教育までの就学率
教育別 | 就学率 | 年次 | 備考 |
---|---|---|---|
初等教育(%) | 101.92572 | 2019年 | ISCED1に相当 |
前期中等教育(%) | - | - | ISCED2に相当 |
後期中等教育(%) | 79.39264 | 2019年 | ISCED3に相当 |
中等以降高等以前教育(%) | 5.89247 | 2019年 | ISCED4に相当 |
Ⅰ-5 初等~中等後教育までの女子生徒率
教育別 | 女子生徒率 | 年次 | 備考 |
---|---|---|---|
初等教育(%) | 102.56461 | 2019年 | ISCED1に相当 |
前期中等教育(%) | - | - | ISCED2に相当 |
後期中等教育(%) | 80.90133 | 2019年 | ISCED3に相当 |
中等以降高等以前教育(%) | 6.11875 | 2019年 | ISCED4に相当 |
Ⅱ 中等・高等教育に関わる制度・状況
a.全般
1.関係する行政機関とその概要
「中国教育部」は中国の教育を担当する機関である。現時点まで約10000人の職員が在職している。教育部のミッションとしては、以下のように取り上げられている。
・国の教育改革と発展の方針、政策の研究と策定、教育関連法案の起草
・各種教育の統合的計画の提案、協調管理の実施、各学校の教育改革への指導、教育に関する基本情報の統計、分析及び公開
・教育経費の運用と管理
・義務教育の均衡発展の推進、教育公平の促進
・学校の設置基準、教育基準の研究と制定、初・中等学校教材の審査、初・中等教育の指導、義務教育の普及、青年非識字者撲滅事業の監督、基礎教育発展の指導と評価
・キャリア教育発展と改革の指導、教育評価基準の制定、教材編集と就職の指導
・高等教育発展と改革の指導、高等教育機関の管理体制改革の指導と評価
・少数民族教育の統合、支援と指導
・大学の自然科学と哲学、社会科学研究の指導、大学のイノベーション体制建築、教育情報化及び産学官連携の指導、国家重要科学研究プロジェクトの実施等
2.優秀な人材を輩出するための基本計画等とその概要
2006年には、義務教育法を改正、同年施行し、これまでの18条の簡単な条文から、全体で63条と大幅に増やし充実を図っている。また、2010年7月に策定された2020年までの教育発展計画である「国家中長期教育改革・発展計画綱要」及び2017年1月に公表された「国家教育事業発展13次5カ年計画」(2016-2020)に基づいた教育施策が展開されている。また、以下のように海外人材招へい政策を実施している。
①【百人計画(海外)】
1994年から中国科学院により実施された計画である。対象としては、国籍問わず、原則上45歳以下、海外で博士号を取得している者で、トップレベルの研究者、技術者、企業の管理人材等が含まれる。当初100人。好評で、2017年まで2500人。平均37歳。9割が海外帰国者。ネイチャーインデックスによると2012年から、論文は、全分野、連続世界トップ。科学院を若返らせ、一挙に世界トップレベルに引き上げた。改革、継続される。
②【千人計画(海外)】
2008年から中国共産党中央組織部により実施された計画である。対象としては、国籍問わず、原則上55歳以下、海外で博士号を取得している者で、トップレベルの研究者、技術者、企業の管理人材等が含まれる。2018年まで、合計8000人。施一公博士、プリンストン大学から清華大学副学長に。主要大学に多く帰国。各地方自治体、大学等が「千人計画」を実行している。2017年海外帰国者は48万人であった。
③【万人計画(国内)】
2012年から中国共産党中央組織部により実施された計画である。対象としては、1) 中国国内のトップレベル研究者(ノーベル賞挑戦力):100人、2) 企業・創業人材、社会科学及び自然科学の優秀教師、優秀なエンジニア:8000名、3) 35歳以下の各分野の青年人材:2000名 ⇒10年間で10000人目標。2017年まで、合計4000人。地方政府も万人計画を実施。
3.年間スケジュール(学期、休暇情報)
*別添データ「②-a-3_年間スケジュール(学期、休暇情報)」参照b.中等教育
項目 | 後期中等教育 就学者数 |
中等以降 高等以前教育 就学者数 |
年次 | 備考 |
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1.高校数(校)*1 | 52,102 | 2016年 | ||
2.高校生徒数(人) *2 | 39,357,192 | 996,403 | 2019年 |
*2 (出典:The World Bank)
3.高校ランキング/トップクラスの高校200校
*別添データ「②-b-3 _高校トップ200校基本情報(中国)」参照
(出典:中国科学技術協会『2020年中国科学オリンピック大会メダル獲得数トップ500校』に基づきJISTEC作成)
c. 高等教育
1.大学進学率、大学院進学率
項目 | 概要 | 備考 |
---|---|---|
1.大学進学率(%) | 53.76 | 出典:UNESCO 2019年 |
2.大学院進学率(%) | 29.9 | 出典:中国教育部 |
2.国・公・私立の各大学数、大学学生数、大学院学生数
項目 | 国立 | 公立 | 私立 | 年次 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
大学数(校) | 1,855 | 741 | 2016年 | 出典:文部科学省「諸外国の教育統計」平成31(2019)年版 | |
学生数(短期高等教育)(人) | 20,171,641 | 2019年 | 出典:The World Bank | ||
学生数(学士)(人) | 24,262,601 | 2019年 | 出典:The World Bank | ||
学生数(修士)(人) | 2,468,173 | 2019年 | 出典:The World Bank | ||
学生数(博士)(人) | 423,412 | 2019年 | 出典:The World Bank |
3.国立大学、トップ私立大学の授業料
項目 | 概要 | 備考 |
---|---|---|
国立大学の授業料 | 5000元~6000元/年 (約8万円~10万円) |
北京大学の例 |
トップ私立大学の授業料 | - | - |
4.大学ランキング/トップクラスの大学200校
*別添データ「②-c-4 _大学トップ200校基本情報(中国)」参照
(出典:USNews(2020)「USNews2021世界大学ランキング(中国大陸)」を基にJISTEC作成)
*別添データ「②-c-4 _大学ランキング・トップクラスの大学」参照
・218校を記載
(出典:QSランキング、Times Higher Education (THE)ランキング、Academic Ranking of World Universities(ARWU)のランキング情報に基づきJISTEC作成)
5.海外の大学・大学院への留学生数および主要な留学先
留学先 | 留学生数(人) | |
---|---|---|
1 | 米国 | 410,000 |
2 | カナダ | 230,000 |
3 | 豪州 | 230,000 |
4 | イギリス | 220,000 |
5 | 日本 | 120,000 |
6 | 韓国 | 70,000 |
7 | フランス | 50,000 |
8 | ドイツ | 40,000 |
9 | ニュージーランド | 40,000 |
10 | ロシア | 20,000 |
6.日本の大学・大学院への留学生および主要な留学先
大学名 | 留学生数(人) | 年次 | |
---|---|---|---|
総数 | - | 124,436 | 2019年度 |
1 | 早稲田大学 | 3,362 | 2020 |
2 | 東京大学 | 2,506 | 2020 |
3 | 京都大学 | 1,498 | 2020 |
4 | 立命館大学 | 1,474 | 2020 |
5 | 大阪大学 | 1,331 | 2020 |
6 | 九州大学 | 1,277 | 2020 |
7 | 東北大学 | 1,256 | 2020 |
8 | 明治大学 | 996 | 2020 |
9 | 慶応大学 | 992 | 2020 |
10 | 名古屋大学 | 886 | 2020 |
*別添データ「②-c-6 日本の大学・大学院への留学生数」、「②-c-6_日本の大学大学院への留学生および主要な留学先」参照
(出典:独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) 「2019(令和元)年度 外国人留学生在籍状況調査結果」のデータ及び各大学HPに基づきJISTEC作成)
7.日本への留学の多い大学の名称および専攻分野
大学名 | 日本への留学生数(人) | 年次 | |
---|---|---|---|
1 | 北京大学 | 350 | 2019 |
2 | 清華大学 | 330 | 2019 |
3 | 復旦大学 | 250 | 2019 |
4 | 大連理工大学 | 230 | 2019 |
5 | 大連外国語大学 | 200 | 2019 |
8.日本の教育・研究機関と協力協定等を締結している大学
大学名 | 日本との協定件数(件) | 協定内容 | |
---|---|---|---|
1 | 北京大学 | 国立:107 公立:5 私立:99 合計:211 |
学生の交流、教員・研究者の派遣、 単位互換、ダブル・ディグリー、 共同研究の実施 |
2 | 中国科学院 | 国立:133 公立:2 私立:8 合計:143 |
学生の交流、教員・研究者の派遣、 単位互換、ダブル・ディグリー、 共同研究の実施 |
3 | 復旦大学 | 国立:66 公立:4 私立:66 合計:136 |
学生の交流、教員・研究者の派遣、 単位互換、ダブル・ディグリー、 共同研究の実施 |
4 | 清華大学 | 国立:81 公立:4 私立:40 合計:125 |
学生の交流、教員・研究者の派遣、 単位互換、ダブル・ディグリー、 共同研究の実施 |
5 | 上海交通大学 | 国立:68 公立:8 私立:45 合計:121 |
学生の交流、教員・研究者の派遣、 単位互換、ダブル・ディグリー、 共同研究の実施 |
*別添データ「②-c-8 _日本の教育・研究機関と協力協定等を締結している大学」参照
(出典:文部科学省「海外の大学との大学間交流協定、海外における拠点に関する調査結果」(平成29度)のデータに基づきJISTEC作成)