メンバーズ・メッセージ
-
- Sarawut Khamset
- 所属 :
モンクット王工科大学ラートクラバン校 - 出身国・地域 :
タイ - 名前 :
Sarawut Khamset
<好奇心から貢献へ─さくらサイエンスと歩んだ私の10年>
さくらサイエンスプログラム(SSP)との出会いは2015年、まだ私が高校生だった頃にさかのぼります。SSPは私にとって初の海外渡航であり、好奇心と緊張が入り混じった体験でした。メディアを通して日本文化にはある程度親しんでいましたが、日本の「生き生きとした現実」にはたいへん驚かされました。歩道で着物を優雅にまとった人々を見かけた光景は今も鮮明に覚えています。伝統文化と最先端技術が美しく調和している姿でした。
しかし、その旅で最も印象的だったのは、偶然生まれた人と人とのつながりでした。ある公園の前を歩いていたとき、日本の学生たちがバスケットボールをしているのを見かけました。冗談のつもりで「一緒にやってもいいですか」と声をかけました。無視されるだろうと思っていましたが、彼らは驚くほど温かく迎え入れてくれました。私は決してスポーツが得意ではありませんでしたが、彼らの優しさのおかげで仲間として受け入れられていると感じました。その瞬間、言葉の壁や能力の違いがあっても、共通の情熱と笑顔があれば乗り越えられるのだと学びました。
タイに帰国後、私はこうした国際的な経験をもっと積みたいと強く思うようになりました。そしてコンピューティングへの情熱に全力で取り組む一方で、対人コミュニケーションや現場での問題解決といった「ソフトスキル」も同じくらい重要であることを理解しました。こうした思いから、私はさくらサイエンスクラブタイ同窓会Sakura Science Club Thailand(通称SSCT)の幹事として積極的に活動するようになりました。
同窓生ネットワークの中で成長していく過程は、自分の内向的な性格を克服することでもありました。以前は緊張してしまう「面白みのない」発表者でしたが、最近の同窓会では参加者が実際に交流するネットワーキングセッションをリードする役割を担うようになりました。かつて日本の学生たちが私を温かく迎え入れてくれたように、今度は私が人と人とをつなぐ役割を果たせることを大変誇りに思っています。この経験は、十分な勇気があればどんな心の壁も乗り越えられることを私に教えてくれました。
さらなる高等教育への道もまた、私にとって忍耐を試される挑戦でした。ユーザーエクスペリエンス(UX)を海外で学ぶため、タイ王国政府奨学金に応募しましたが、合格するまで三度の不合格を経験しました。それでも最終的に合格することができ、「強い意志を持って邁進する人を努力は決して裏切らない」という深い教訓を得ました。大学院での研究の場に英国を選んだことで、私の視野はさらに広がりましたが、国と国をつなぐ架け橋を築きたいという思いは変わりません。
そして現在、この旅路は私にとって大きな喜びとなる到達点へとつながりました。私はモンクット王工科大学ラートクラバン校(KMITL)の次期教員として任命されました。博士号取得後には、KMITLの講師として着任し、タイ、日本、そして英国の間で研究協力を促進していきたいと考えています。かつてさくらサイエンスプログラムが私に与えてくれたような人生を変える機会を、今度は私が学生たちに提供していきたいと思っています。
これからSSPに参加される皆さんへ─このプログラムは、自分の可能性を輝かせ、「日本らしさ」を体験できる貴重な機会です。ぜひそのチャンスを逃さないでください。そして同窓生の皆さん、さくらサイエンスクラブ同窓会へようこそ!皆さんと出会い、より明るく、よりつながりのある未来に向けて協力していけることを楽しみにしています。
