メンバーズ・メッセージ

FY 2025
  • Syubbanul Wathon
    所属 :
    広島大学
    出身国・地域 :
    インドネシア
    名前 :
    Syubbanul Wathon

皆さんこんにちは。Syubbanul Wathonと申します。インドネシアのジェンベル大学(Universitas Jember)理学部・数学自然科学部・生物学科に所属する講師であり、研究者でもあります。私の学術的な歩みは、バイオテクノロジーを基に形づくられてきました。生物学で学士号取得後、バイオテクノロジー専攻で修士課程に進みました。これらの形成期を経て、生命を分子レベルで理解することへの関心が培われ、基礎的知識と実社会での応用を結びつける科学研究に取り組みたいという意欲が高まりました。現在は、日本の広島大学大学院 統合生命科学研究科 生物工学プログラムの博士課程在籍中で、研究能力をさらに磨きながら、学術的視野をグローバルに広げているところです。

母国ジェンベル大学では講師および研究者として、教育・研究活動に積極的に携わっております。私の研究は、バイオテクノロジー、バイオインフォマティクス、生化学、免疫学、そしてベクター生物学に関連しています。基礎科学、計算解析、応用研究を統合し、熱帯地域での健康課題解決に貢献したいという私の強い思いからこのような学際的アプローチに到達しました。

私の学術的成長における大きな転機は、2018年に広島大学で実施されたさくらサイエンスプログラム(SSP)に参加したことでした。このプログラムは、日本における研究活動や先端科学技術を実体験として深く学ぶ初の機会となりました。教授陣からの直接的な指導、実験室での実習、そして研究ディスカッションへの積極参加を経て、私のバイオテクノロジーへの関心を大きく高めてくれました。特に、感染症および変性疾患の研究におけるプロテオミクス(タンパク質解析)を基盤としたアプローチに強い興味を持つようになりました。この経験により、タンパク質レベルでの解析が疾患メカニズムの解明において重要な役割を果たし、より精密な診断法や治療戦略の開発につながることを実感しました。

現在、私は医療バイオテクノロジーに重きを置いており、感染症および変性疾患に対して、プロテオミクスをはじめとする関連技術を応用することに取り組んでいます。今後の展望としては、SSP参加をきっかけに得た学びを礎に、医療バイオテクノロジーの専門性をさらに高め、デング熱、マラリア、がんなど、インドネシアで深刻な課題となっている疾患の解決に貢献したいと考えております。インドネシアでは、これらの疾患の予防・診断・治療において依然として大きな課題が残されています。私は、研究能力の強化と国際連携の推進が、これらの課題に対応するために不可欠であると強く信じています。さくらサイエンスクラブ(SSC)同窓会組織を通じて、私はバイオテクノロジーをはじめとする学際的分野において、多様な機関の研究者と協働する機会を積極的に模索し、知識の共有やイノベーション創出に尽力したいと考えております。

SSPは、私の学術的および個人的成長に深い影響を与えてくれました。SSPは知識や技術スキルを高めてくれただけでなく、日本の大学の教授陣と直接学び合いながら、フィールドサンプリングから最先端技術を用いた実験室での研究まで、幅広い研究活動に取り組む機会を与えてくれました。さらに、このプログラムを通して日本の教育制度、言語、文化にも触れることができ、それらは私の心に強く残っています。日本の学術環境は非常に支援的でありながら規律があり、その姿勢に触れたことで、私はより厳密で誠実、かつ国際的な意義を持つ研究に取り組みたいと感じるようになりました。科学とは複雑な健康課題に取り組み、福祉を向上させることのできる、力強い協働的営みです。SSPを通じて、私は益々そう認識するようになりました。