同窓会
さくらサイエンスクラブ日本同窓会ウェビナー“From Sakura to Success”
日本で歩みを進める同窓生が洞察を共有
9月12日に開催されたウェビナー「From Sakura to Success: Alumni Insights on Studying and Working」は、さくらサイエンスクラブ日本同窓会と科学技術振興機構(JST)の共催で行われ、約90名が視聴しました。現在日本で学んだり働いたりしている日本同窓会メンバーが、日本への留学や日本でのキャリア形成に関心を持つ学生や若手研究者を対象に、さくらサイエンスプログラム(SSP)を通じた短期的な日本滞在が、その後どのように長期的な学術・職業上の進路へと発展していったかを紹介しました。本ウェビナーは日本同窓会会長のMr. Sahil Dwivediのもと、幹事会および日本在住同窓生の協力によって実施され、日本同窓会幹事であるMs. Pham Ha Trangが司会を務めました。
ウェビナーは、Keynote Session、Study in Japan Panel、Work in Japan Panel、Q&A Sessionの4部構成で行われました。
Keynote Session
1人目の登壇者は、ミャンマー出身のDr. Thaw Dar Wunnです。Dr. Thaw Dar Wunnは、2016年にマンダレー大学からSSPを通じて北海道大学を訪問しました。プログラム終了後、文部科学省国費外国人留学生制度による通称MEXT奨学金の大学推薦枠を利用して、北海道大学の英語による工学教育プログラム(通称e3 program)にてSustainable Resources Engineering(SRE)を専攻しました。博士課程では、北海道大学のDX 博士人材フェローシップから支援を受けました。現在勤務している企業では、安全を確保するための環境アセスメントに携わっています。Dr. Thaw Dar Wunnは、日本に来てから進路を決めるまでの時間は非常に限られているため、企業で働くのか、大学・研究機関などのアカデミアを目指すのかを早めに決める必要があると強調しました。両者では求められる準備が異なるためです。企業就職を目指す場合はJLPT(日本語能力試験)対策がより重要になる一方、アカデミアを目指す場合は、十分な研究論文の実績が求められることがあります。
2人目の登壇者は、タイ出身のDr. Jittraporn Saengkaewでした。初めて日本を訪れたのは2016年のSSPで、タマサート大学から弘前大学を訪問しました。その後、同大学で修士課程の交換留学を経験し、さらに材料科学分野の博士号を取得しました。その後、物質・材料研究機構(NIMS─つくば市)でポスドク研究員として勤務し、ドイツへの滞在も経験しました。帰国後、現在は東京大学生産技術研究所で特認助教として勤務しています。Dr. Jittraporn Saengkaewは、さくらサイエンスでの経験は単なる短期訪問ではなく、その後のさまざまな機会につながる重要な出発点になったと強調しました。また、常に好奇心を持ち、機会が訪れたときには積極的に活用し、その過程で出会った人々との関係を大切にするよう参加者に助言しました。
Study in Japan Panel
Mr. Nico(沖縄科学技術大学院大学・博士課程在籍)とMs. Huang Wei(広島大学・博士課程在籍)が、日本の大学に出願する前に考えておくべきポイントを紹介しました。
- 教授に直接連絡を取る前に、十分に下調べをすること。返事が来ない場合もあるが、複数の研究室や大学を探し、学会などに参加して教授と直接会う機会を作ることも有効。
- 完全に英語で行われるプログラムに参加する場合を除き、ある程度の日本語力がある方が望ましい。特に研究室のメンバーの多くが日本人の場合や日常生活を送る上でも日本語力は助けになる。
- 奨学金の中には大学からの推薦が必要なものもあるが、本庄国際奨学財団のように大学推薦を必要としないものもある。
https://ssp.jst.go.jp/sns/abroad/mayway/20220909_2.html
https://ssp.jst.go.jp/sns/abroad/mayway/20230316_1.html - 大学のTA(teaching assistant)やRA(research assistant)で生活費の一部を補うことは可能。自分のスキル向上の機会にもなるが、学業とのバランスが重要です。
- 公共交通機関が十分でない地域のキャンパスでは、車の運転が必須になる場合がある一方、都市部のキャンパスは便利だが、家賃や生活費が高くなることがある。
- 来日後は、地域のイベントや地域の国際交流団体などに参加することで、勉強以外の生活も楽しむことができる。
Work in Japan Panel
Dr. May(大阪大学にて修士号・博士号取得)とDr. Jittraporn(タマサート大学にて修士号・弘前大学にて博士号取得)が、卒業後にどのように仕事を見つけたかを紹介しました。
企業への就職については、一般的に日本人学生も留学生も卒業の約一年半前から就職活動を始めることが多いです。代表的な就職情報サイトとしてMyNavi等がありますが、各企業のウェブサイトから直接応募する方法もあります。JLPTの結果を示す証明書の提出は必須ではありません。一社につき複数回面接が行われることが一般的で、希望すれば英語で面接を実施する企業もあります。また、インターンシップ経験も、その企業で働きたいというモチベーションを高めることにつながります。Dr. Mayは、「己をよく知り、自分が持っている力に自信を持って、次のステップへ進んでください」と助言しました。
アカデミアの職については、ポスドクや准教授などの公募情報が掲載されているJ-REC IN Portalで探すことができます。このほか、LinkedInを利用したり、人材紹介を活用したりする方法もあります。Dr. Jittrapornは、紹介を通じてアカデミアのオファーが短時間で得られる場合もある一方、日本で常勤のアカデミックなポジションを得ることは非常に難しいと述べました。最後に、両パネリストは、人とのつながりや関係を大切にすることが重要であり、研究室に閉じこもるのではなく、課外交流活動などに参加してネットワークを広げることも大事だと語りました。
Q&A Session
質疑応答では、日本留学に関する質問が大部分を占め、大学や研究室の選び方、日本の教授が留学生に求める資質、私費留学生としての留学費用の工面方法、日本でのポスドク(博士研究員)の機会など、多岐にわたる内容が取り上げられました。
