同窓会

第四回ベトナム同窓会─知識の種を分かち合いイノベーションの芽を育む

2025年5月31日、さくらサイエンスクラブベトナム同窓会(SSCV)は、Fortuna Hanoiにて第四回同窓会を開催し、90名を超える参加者を迎えました。「Seeds of Knowledge Blossoms of Innovation (知識の種 イノベーションの芽)」という意義深いテーマの下、本イベントは情報提供を行うだけでなく、会への積極参加を促すよう綿密に計画され、合間にはインタラクティブなプログラムも盛り込まれました。ベトナム同窓会幹事長のMr. Dinh Huy Duc率いる新生幹事会は、活気に満ちた魅力的なプログラムを成功裏にまとめ上げました。Ms. Mai Ngan Giang とMr. Minh Quang Duongが司会を務め、二人の活気あふれる司会により、会場は終始温かい雰囲気に包まれました。

<開会の部>

ベトナム同窓会Dinh Huy Duc幹事長は会場に集まったすべての来賓と参加者に感謝の意を表しました。さくらサイエンスプログラム(SSP)の力を目の当たりにした同窓生として、同氏はSSPがキャリアの方向性に大きな影響を与え、どこにいても新しいアイデアを生み出せることに驚きを隠せないと述べました。「SSPでの経験を通して蒔かれた種は、私たちのような同窓会ネットワークを通して育み続けることで、真のイノベーションとして花開く」と、幹事長は自信を込めて同窓会の開会を宣言しました。

ベトナム同窓会幹事長
Mr. Dinh Huy Duc

JSTさくらサイエンスプログラム推進本部 伊藤宗太郎 副本部長は来賓およびすべての参加者へ歓迎の言葉を述べ、「今後もベトナム同窓会を引き続き支援していくので日本との絆を深めていって欲しい」と呼びかけました。

JSTさくらサイエンスプログラム推進本部
伊藤宗太郎 副本部長

<来賓挨拶>

伊藤直樹 駐ベトナム日本国特命全権大使は、科学協力を促進する上でSSPが果たしてきた極めて重要な役割を強調しました。このプログラムを通じて、これまでに約3,000人のベトナム人学生と研究者が日本を訪れています。また、同窓生間のネットワーク強化を通じて、この同窓会が両国の学術交流、共同研究、そして科学技術の発展促進に貢献していることを称賛しました。伊藤大使は、SSP、NEXUS Y-tec、日越大学(VJU)といった取り組みが、今後も強固な関係構築を推し進めていくことを期待しました。

伊藤直樹 駐ベトナム日本国特命全権大使

また、日越友好議員連盟会長を務める小渕優子衆議院議員からも、励ましのビデオメッセージを賜りました。

<同窓生によるシェアリングセッション>

●ゲーム-さくらサイエンス・メモリーフラッシュ

参加者全員による和やかなフォトセッションの後は、司会者の呼びかけに応じて、SSPを的確に表現する言葉を上げて行くゲーム『さくらサイエンス・メモリーフラッシュ』を実施しました。 Happy、Memorable、Beautiful、Professional、Exciting、Meaningful、Wonderful、Enjoyableといったキーワードが並びました。 2018年にスーパーバイザーとしてプログラムに参加した教員の一人からは、特にFriendshipという言葉が上がりました。訪日団がベトナムに帰国後、プログラムに参加した日本の高校生をベトナムに招待し、絆を深めたと語ってくれました。

●ハノイ科学技術大学(USTH)講師兼ベトナム同窓会幹事Dr. Le Minh Tienによる発表

ゲームの後、Dr. Tienは、SSPが自身の研究をどのように発展させ、学生たちにどのような影響を与えたかについて語りました。九州工業大学の坪田敏樹准教授の招待を受け、Dr. Tien率いる学生たちは、キャスト法を用いてスーパーキャパシタやMOF(金属有機構造体)用の薄膜製造に参加することができました。SSPを通じて日本でのネットワークを広げることのできたDr. Tienは「SSPは単なるプログラムではなく、共に成長できるコミュニティ」と結論づけました。

Dr. Le Minh Tien
ハノイ科学技術大学 (USTH) ,講師兼ベトナム同窓会幹事
●ゲーム-アンロック・ザ・ピクチャー

次に参加者は会場のスクリーン上に投影された9つのパネルをロック解除し、その下に隠された絵を見つけるというゲームに興じました。クイズに正解すると、下に隠されたイラストの一部が少しずつ現れます。パネルの下には桜の花のイラストが隠されていましたが、ゲームはそこで終わりませんでした。参加者は、そのイラストを最もよく表すキーワードを正確に当てなければなりませんでした。同窓生たちの答えは「さくらプログラム」「さくらサイエンスクラブ」等どれも正解に近いものばかりでしたが複数名の回答者を経て、ようやく参加者の一人が「Sakura Science Exchange Program」という正答を導き出しました。

<インフォメーションセッション>

JASSOベトナム事務所の教育アドバイザーであるMs. Pham Thi Phuongからは「日本留学」に関するプレゼンテーションがありました。特にベトナム人学生のニーズに合わせた内容が取り上げられ、プレゼンテーションスライドに表示されたQRコードをスマホで熱心に読み取る若者の姿が見られました。

Ms. Pham Thi Phuong
JASSO ベトナム事務所 教育アドバイザー

JASSOに続き、JSTさくらサイエンスプログラム推進本部単谷調査役より日本とASEAN諸国間の頭脳循環を促進する新たな長期研究交流の枠組み「NEXUS Y-tec(若手人材交流プログラム)」について説明がありました。

JSTさくらサイエンスプログラム推進本部
単谷調査役

また、NEXUS Y-tec実施中のプログラム例として、ベトナム国家農業大学(VNUA)有機農業推進研究センター(COAPS)副所長Dr. Vu Duy Hoangが、山形大学との共同プロジェクトを紹介しました。このプロジェクトは、高度なITC技術と除草ロボットを用いた雑草管理を取り入れた有機稲作に焦点を当てています。本共同研究では、ベトナムでのデータ収集、フィールドワーク・実験の後、日本で合同ワークショップや分析が行われます。2025年5月現在、試験対象となっている稲は順調に生育しており、両研究チームにとって有益な進捗をもたらしています。
参考 https://www.jst.go.jp/aspire/nexus/y-tec/theme/2024/vol004.html

ベトナム国家農業大学(VNUA)有機農業推進研究センター(COAPS)副所長
Dr. Vu Duy Hoang

会場には、同窓生の友人や家族に加え、ベトナムと日本の友好関係を支援する機関の代表者も多数参加しました。 在ベトナム日本大使館、ベトナム教育省、日越大学(VJU-JICA)、JASSOベトナム事務所、ベトナム国家農業大学、立命館大学ASEAN事務所、そしてベトナム元日本留学生協会(VAJA)の皆様には、ご参加いただきましたことを改めて感謝申し上げます。最後に、わずか2ヶ月の準備期間でイベントを完璧な形で成功させた新生ベトナム同窓会(SSCV)の幹事一同に、事務局より心からの祝意を捧げます。本同窓会は、過去の功績を祝うだけでなく、成長を続ける同窓生コミュニティの力強さを再確認する機会となりました。同窓生コミュニティは引き続き専門分野での躍進、そしてベトナムと日本の永続的な友好関係強化を目指す活気ある会として存続していくことでしょう。

フライヤー作成者Ms. Vu Thi Thanh Thuy