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2024年度 活動レポート 第71号:長崎大学

2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第71号 (Aコース)

長崎大学で学ぼう!
~長崎を発祥とする薬学の歴史と先端創薬研究~

長崎大学からの報告

2025年1月26日から2月1日の期間でタイ王国のチュラロンコン大学およびチェンマイ大学の薬学部から6名の学部・大学院生と2名の引率教員の計8名が来日しました。両校とは、大学間学術交流協定を締結しており、長崎大学の学生を短期研修に派遣するなど、長い交流実績を有しています。今回実施した活動内容は、薬学部の施設見学、先端創薬に関する講義、研究室での実験体験と学生交流、製薬企業等の見学ツアー、最終報告会・学生討論会です。

プログラム1日目には、我が国で最初に開設された近代西洋式病院である小島養生所跡地にある資料館、並びに長崎大学薬学部の前身である分析窮理所の遺構を見学し、それらの歴史的価値や、「日本近代西洋医学教育の父」と称されるポンぺの功績などについて学習しました。

活動レポート写真1
小島養生所跡資料館の見学の際に資料を真剣に見る様子

プログラム2日目には、薬学部内の施設見学を行い、薬用植物園では冷雨の中、日本独自の薬用植物に接し多くの質問が寄せられました。下村 脩名誉博士顕彰記念館ではノーベル化学賞の受賞に繋がった下村先生の研究業績やゆかりの展示品を見学し、多くの貴重な資料に強い関心を持っていただきました。

活動レポート写真2
下村 脩名誉博士顕彰記念館において展示品を見学しながら議論する様子

プログラム3日目には、先端創薬に関わる医療系講義として薬物伝達システムや診断薬開発に関する講義、物理系講義として先端分析化学等に関する講義、そして長崎大学グローバル連携機構教員による長崎大学や長崎の歴史等に関する講義が行われました。講義の後には講義内容と関連する研究室を訪問して研究内容の紹介、実験の体験や学生との交流を行いました。また、夕方には講義等を担当する教員との意見交換会を開催し、長崎の地元の料理や日本の食文化について大いに盛り上がりました。

活動レポート写真3
研究室での研究内容の紹介の様子

プログラム4日目には、生物系講義として神経変性疾患に関する講義や有機系講義として創薬に関わるペプチド合成に関する講義が行われ、さらに研究室の実験体験と学生交流を行いました。

活動レポート写真4
研究室での実験体験で真剣に取り組む様子

プログラム5日目には、鳥栖市にある中冨記念くすり博物館と久留米市内にある日本赤十字社九州ブロック血液センターを訪問しました。生薬標本や「くすり」に関する産業文化、血液製剤の製造現場や血液検査業務の解説に熱心に聞き入っていました。さらに、久光製薬鳥栖工場及び同社新研究所「SAGA グローバルリサーチセンター」を訪問し、医薬品の製造工程や研究開発の現場を見学し、日本の製薬企業に興味を覚えていたようでした。

活動レポート写真5
日本赤十字社九州ブロック血液センターでの血液検査業務を見学する様子

プログラム6日目の最終日には、長崎大学の教員と学生を交えての報告会と学生討論会が行われました。招へい者の学生が作成したスライドを用いて、各々が熱のこもったプレゼンテーションを行い、印象に残った講義や実験体験、プログラムの感想や留学を含む将来の希望等について報告がなされ、長崎大学の学生との活発な質疑が行われました。報告会の最後に、西田孝洋 薬学部長より各人に修了証が手渡され、全日程が滞りなく終了しました。

最後に、多大なるご支援を賜りました「さくらサイエンスプログラム」および、本プログラムの実施にご協力頂きました、長崎大学の教職員と学生の皆様に心より御礼申し上げます。

活動レポート写真6