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2024年度 活動レポート 第65号:岐阜大学

2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第65号 (Cコース)

畜産における人工授精技術の講習

岐阜大学応用生物科学部
教授 村瀬 哲磨さんからの報告

2025年2月10日~2月26日、バングラデシュのパトゥアカリ科学技術大学から、学生7名(修士課程2名、学部生5名)と、引率教員としてQuzi Sharmin Akter教授を招へいし、C.科学技術研修コースのプログラムを実施しました。Akter教授は、村瀬研究室にて博士号を取得した、本学の卒業生です。

【2月10日】

早朝中部国際空港に全員無事到着されました。宿泊施設(シェアハウス)へ移動し休息の後、大学の実習室にてオリエンテーションを行いました。

期間中受講生諸君は引率教員と共にシェアハウスの炊事場を利用して自炊をして生活をしました。

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シェアハウスにて

【2月11日~14日】

坂口謙一郎准教授により牛の受精卵移植に関する実習を行いました。子宮より受精卵を回収し他の個体へ移植するための基礎的な実習として、屠体の子宮へ卵を入れ、それを回収して顕微鏡で観察するという実習を行ないました。

活動レポート写真2
受精卵の実習
  • 人工授精の利害得失、牛における精液の採取や一般検査技術などについて説明した後、屠体の子宮を使用して人工授精の練習を行ないました。
  • 人工授精に際して凍結精液を作成する方法について説明し、精液の凍結保存に用いる希釈剤の作成を実習しました。
  • 精液の特殊検査法に関する講義を行いました。
  • 動物発生学研究室(日巻武裕助教)で豚卵子の卵巣からの採取、体外受精、顕微授精などの発生工学的手法を見学しました。
活動レポート写真3
凍結精液の実習
活動レポート写真4
日巻先生研究室見学

【2月15日】

文化活動として、金華山頂上までロープウェイで行き岐阜城およびうかいミュージアムの見学を行いました。金華山山頂では快晴に恵まれたため、岐阜城から非常に美しい景色を見ることができました。

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金華山にて

【2月16日】

文化活動として、岐阜県白川郷の合掌造りの村を見学しました。研修生の皆さんは雪を見るのは人生初でしたので大変貴重な経験になりました。また、伝統的な日本の家屋を見学し有意義な文化活動となりました。

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白川郷にて

【2月17日~18日】

  • 直腸検査をするための基本的な技術の実習の後、臓器を使った直腸検査と人工授精の実習を行ないました。
  • 精子の生存性を測定する蛍光色素を用いた染色法を実習しました。
  • 実際の牛を使って直腸検査を体験しました。
  • 最後に研修期間に学んだことに関するプレゼンを行い、ディスカッションを行いました。本国ではできない実習を受講できたので大変有意義であったとの意見が多くありました。

【2月19日】

早朝宿泊施設を出発し中部国際空港より出国し、無事本国へ到着されました。

活動レポート写真7
帰りの空港にて

■プログラムを終えて

本研究室の卒業生が本国で教員になり、このような機会に研究室へ戻ってきてくれたことを大変嬉しく思っております。また、受講生諸君から「本国ではできない実習ができたので大変有意義だった」との意見をいただき、受け入れ者としましては安堵している次第です。

今後バングラデシュへ帰られてからも、畜産の発展に貢献される方々と思いましたので、今回の研修がお役に立てれば光栄に思います。

本研修をサポートいただきましたJSTさくらサイエンスプログラム関係各位並びに本学の事務方の各位、実習の一部を担当していただいた坂口准教授、並びに研究室を見学させていただきました日巻助教に心より感謝申し上げます。