2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第61号 (Cコース)
21世紀の環境・食・アフリカ:日本の発展経験と創意工夫から学ぶ
宇都宮大学国際学部からの報告
2025年2月12日~21日、タンザニアのダルエスサラーム大学から学生4名、同国ネルソンマンデラアフリカ科学技術大学院大学(NM-AIST)から学生3名と教員1名、ガーナ大学から学生3名と教員1名を招へいしました。参加学生は「UU-A グローバル・マネジメント2024」において優秀な成績を収めたことから選抜されました。
彼らは、宇都宮大学国際学部の「グローバルAL演習II」に登録した学生5名、同大学のティーチング・アシスタント(TA)5名(日本人3名、ガーナ人1名、スリランカ人1名)、およびエチオピアとガーナの世界展開力長期受入学生とともに、各国の知見を交換する機会を持ちました。
【2月12日(水)】
成田空港到着
【2月13日(木)】
午前:宇都宮大学のオリエンテーション・紹介
国籍・出身大学の多様性と、共通関心を考慮したグループでの相互自己紹介
午後:講義「日本農業の現状と課題―茶の生産から消費まで」(杉田直樹教授)
講義「“MOTTAINAI”で挑む未利用生物資源の機能性食品素材化」(橋本啓教授)
【2月14日(金)】
午前:学長表敬訪問
講義「災害と環境―福島原発事故の教訓」(清水奈名子教授)
ダルエスサラーム大学の学生・教員とのランチ・ミーティング(阪本公美子教授)
午後:講義「足尾鉱毒事件から考えるアフリカの鉱山」(重田康博名誉教授・匂坂宏枝博士)
講義「日本の環境問題への取組―公害から循環型社会、カーボンニュートラルまで」(髙橋若菜教授)
「Student Summit 2025」開会式(2月14日〜20日、ウェブサイト上でのQ&Aセッション)
【2月15日(土)】
公害の原点といわれる足尾銅山を訪問し、アフリカにおける鉱山について考える(髙橋教授、重田名誉教授、匂坂博士)
足尾銅山坑道見学
講義「現地で語られる足尾銅山の鉱害」(生沼勤氏)
精錬所跡地周辺および足尾ダム見学
※足尾銅山での研修は、下野新聞(2025年2月22日26面)にて取り上げられました。
【2月16日(日)】
午前:「学生サミット2025」においてチャット形式による質疑・応答
午後:ガーナ大学の学生・教員とのランチ・ミーティング(阪本教授)
地域アクターを巻き込み、アフリカともゆかりのある有機農家の訪問と地域講師による講義
(爽菜農園 小野寺さちえ氏・小野寺鉄氏、rainveil高野悠氏)

【2月17日(月)】
午前:講義・ワークショップ「日本の災害と地域防災」(飯塚明子准教授)
午後:栃木県内で地域のステークホールダーを巻き込み、地域をあげて有機物を堆肥化している実践(ドンカメ)の見学と地域講師(小久保行雄氏)(阪本教授・西山教授同行)
【2月18日(火)】
午前:講義・ワークショップ「日本の伝統食からみる機能性食品とその加工」
(大森玲子教授)(阪本教授同行)
発酵食品等の講義と味噌づくり・うどんづくり
午後:味噌作りつづき
「Student Summit 2025」シンポジウムII
※個人レポートのC-Learningへの提出

【2月19日(水)】
午前:個人レポートの共有、アフリカで適応できる日本の経験についてのグループプレゼンテーション準備として、主要な要点を議論・選択(阪本教授)
午後:グループ発表のための議論と準備
「Student Summit 2025」シンポジウムIII
※グループプレゼンテーション提出

【2月20日(木)】
午前:成果公開発表会のプレゼン最終確認・リハーサル
午後:成果公開発表会「日本の経験から考えるアフリカの発展と21世紀の環境と食」
「Student Summit 2025」閉会式およびベストプレゼンテーション賞授与

【2月21日(金)】
日本科学未来館(Miraikan)訪問
成田空港より帰国
全受講生は、日本の経験から学ぶことができ、また日本人学生と意見交換する機会を持てました(以下、受講生評価参考)

<受講生から得られた意見や評価>
- 日本の文化や人々についての理解が深まり、非常に影響を受けた経験でした。日本の人々の温かい受け入れにより、私は日本を第二の故郷と考えることができます。機会があれば博士課程に進学したいと考えています。この交流プログラムが今後も続き、より多くのアフリカの学生が日本の素晴らしい文化や人々を体験できることを願っています。
- このコースは非常に興味深く、集中的な学びの機会でした。アフリカで実践していきたいと考えています。
- このプログラムを通じて、肌の色や民族、言語の違いにもかかわらず、差別を感じることは一切ありませんでした。尊重され、価値を認められたと感じています。多くの学生が宇都宮大学との関係を今後も続けたいと考えており、研究やプロジェクトなどのさらなる協力の機会が開かれることを願っています。
- この素晴らしいプログラムに心から感謝しています。学んだことは多く、今後に活かしたいです。博士課程を日本で進めることを検討しています。