2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第58号 (Aコース)
ベトナムとバングラデシュの若手学生・研究者・医師が、神経科学の最新研究を学ぶ
島根大学からの報告
ベトナムやバングラデシュといった東南アジア・南アジアの新興国は、急速な経済発展を遂げています。しかし、基礎研究のなかでも神経科学を専攻する研究者が非常に少ないことから、神経科学の先端研究に触れる機会を島根大学でもうけ、将来のベトナム、バングラデシュでの神経科学研究の発展を目指して本交流計画を立案しました。
2025年2月3日から2月9日まで、バングラデシュ農科大学に関連した学生6名と、ベトナムのトンニャット病院から医師2名を受け入れました。それぞれの送り出し機関の担当者であるNgo Xuan Huy 歯科医師とRaihana Nasrin Ferdousyバングラデシュ農科大学准教授が、受け入れをコーディネートしました。
まず、プログラムの開始初日には、藤谷昌司教授により、神経解剖学についてのレクチャーを行いました。また午後から、動物実験施設での見学実習のための動物実験に関する講習をTarif Abu Md Mamun助教が行い、動物実験施設を見学しました。

プログラム2日目には、藤谷昌司教授より、顕微鏡および組織学についてのレクチャーを行い、最終日にプレゼンテーションを行うactive learning形式での体験実習である旨説明しました。その後、クライオスタットを用いての薄切や免疫染色法の見学実習を行い、顕微鏡を用いた脳切片の撮影実習を行いました。雪の中、歓迎会兼誕生日会を開催しました。

プログラム3日目は、午前中は、顕微鏡撮影やプレゼンテーションの資料作りを行いました。午後から、4名の中国人の島根大学の大学院生が加わり、交流会を行いました。組んだパートナーを他己紹介するというアイスブレイクを行い、相互理解を深めました。また、解剖学講座(神経科学)の研究室の大学院生が、研究内容について発表し、日本への留学について、我々の研究室についてなど質疑応答を行いました。

プログラム4日目は、午前中は、プレゼンテーション資料作りを行いました。午後からは、自己紹介、そして島根大学で学んだこと、自分たちのテーマとなる脳部位について発表しました。peer 評価を行い、即座にフィードバックすることで、プレゼンテーションの質を高める工夫を互いにディスカッションしました。最も優れたプレゼンテーションを行ったチームを表彰し、最後に全員の修了式を行いました。

寒波が到来し大雪のため、2月8日のプログラムを変更しましたが、大学内での実習は、無事完遂することができました。
最後に、多大なるご支援を賜りました「さくらサイエンスプログラム」および、本プログラムにご協力頂きました、島根大学の教員、職員、学生の皆様に心より御礼申し上げます。