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2024年度 活動レポート 第51号:筑波大学

2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第51号 (Bコース)

筑波研究学園都市における材料科学の最先端研究インターンシップ

筑波大学からの報告

2024年12月1日~20日の20日間にわたり、インドのトップ大学であるインド工科大学ボンベイ校から3名の大学院生、インド工科大学グワハティ校から3名の大学生および各校から1名ずつの引率教員の計8名を招へいし、材料科学分野での研究インターンシップを実施しました。

活動レポート写真1
オリエンテーション後の集合写真

材料科学は日本の研究力が高い分野であり、中でも放射光施設、材料科学、宇宙研究施設が集中する筑波研究学園都市は、産学官が協働して材料科学研究を実施するのに極めて優れた環境であります。このため、インドの研究機関からも研究交流の多大な期待が寄せられていますが、これまでは個人間の共同研究など限定的な交流しか実現していませんでした。そこで組織的な交流を加速すべく、本交流計画では、筑波大学および物質・材料研究機構(NIMS)での研究インターンシップや高エネルギー加速器研究機構(KEK)、物質・材料研究機構(NIMS)、および産業技術総合研究所(産総研)の研究室訪問、引率教員(研究者)との意見交換を実施しました。

活動レポート写真2
高エネルギー加速器研究機構の見学

招へい期間中は学生6名が1名ずつ筑波大学および物質・材料研究機構(NIMS)の研究室に配属され、ホスト機関である筑波大学 理工情報生命学術院 数理物質科学研究群 国際マテリアルズイノベーション学位プログラム(筑波大学、NIMS、産総研、KEKの協働大学院)が提供する、半導体、ナノカーボン材料、エネルギー、電子素子、磁気記録、分子集合体、センサーに関する研究インターンシップに参加し、研究指導を受けました。研究インターンシップにおいて招へい学生は、研究室に所属する日本人学生および留学生とも協力して研究に取り組み、こうした教員や在学生との交流を通して筑波大学および物質・材料研究機構(NIMS)での学生生活を体験することができました。また同時に筑波大学およびNIMSの在学生にとっても、インド工科大学の優秀な学生と交流する貴重な経験となりました。

研究インターンシップは各研究室に分かれて行いましたが、その合間には、招へい者が集まり合同で高エネルギー加速器研究機構や、物質・材料研究機構(NIMS)の研究室を訪問しました。訪問を通して、招へい者は最先端の研究共同利用実験装置の利用を含めて、筑波研究学園都市の研究環境を体験し理解することができました。

活動レポート写真3
物質・材料研究機構(NIMS)の研究室を訪問

また一方で、今回招へい学生と共に渡日した引率教員と、筑波大学の生命環境系、数理物質系、およびシステム情報系教員との意見交換の場も設けました。筑波大学はインド工科大学ボンベイ校およびグワハティ校の両校と既に交流協定を締結していますが、材料科学分野に留まらず、多岐にわたる研究領域間の研究者交流を今後更に加速させるため、共同研究に向けたシーズ交換や今後のさらなる交流促進の可能性について議論を深めました。

プログラムの最後には成果報告会を行い、招へい学生が研究インターンシップにおいて取り組んだ内容を発表しました。成果報告会には筑波大学および物質・材料研究機構(NIMS)の教員や在学生が参加し、招へい学生の発表に対するフィードバックやプログラム全体の振り返りを行いました。

今回の研究インターンシップおよび筑波研究学園都市の研究機関訪問を通して、招へい学生からは本学への入学または日本への留学を希望する声が多く聞かれました。また、インド工科大学の引率教員と筑波研究学園都市の受入教員との繋がりがより強固なものとなりました。今後、インド工科大学ボンベイ校およびグワハティ校と、筑波研究学園都市の研究機関との学生・研究者交流および学術連携の促進が多いに期待されます。今後もさくらサイエンスプログラムのような貴重な機会を活用し、日本とインドの懸け橋となる人材の育成や、優秀なインド学生の日本留学の促進に積極的に取り組んで参ります。

活動レポート写真4
成果報告会での集合写真