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2024年度 活動レポート 第50号:名古屋大学

2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第50号 (Aコース)

社会的弱者の健康生活を支える科学的根拠に基づく看護ケアと防災対策の研修プログラム

名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻からの報告

2024年12月1日から12月7日の日程で、フィリピン大学看護学部から学部生4名、大学院生2名と教員1名を招へいし、社会的弱者である高齢者や妊婦および乳児の健康生活を支える看護ケアと防災対策の研修プログラムを実施しました。また、本プログラムの2週間前に、フィリピン大学の招へい者およびプログラム担当教員と事前打ち合わせをオンラインで実施しました。本プログラムでは、科学的根拠に基づく看護ケアと防災対策について本学の学生や教員と討論することを目的としました。

【1日目】

無事に飛行機が到着し、中部国際空港に7名を迎え、本プログラムのオリエンテーションを空港内で行いました。その後、ホテルに移動しました。

【2日目】

午前中に東山キャンパスの図書館ツアーを行いました。さらにフィリピン領事館を訪問しました。午後からは、看護学生が学ぶ大幸キャンパスの図書館や実習室などのキャンパスツアーを行い、医学系研究科保健学統括専攻長の石川教授を表敬訪問しました。その後、本プログラムに関するミーティングと意見交換会を行いました。

活動レポート写真1
本プログラムに関する意見交換会後の記念撮影

【3日目】

名古屋大学医学部附属病院を訪問し、看護部の副看護部長から病院における防災対策についての講義を受けたあと、産婦人科外来、産科病棟、MFICU、NICUを見学しました。新生児の災害時の緊急避難について熱心に耳を傾け、質問をされていました。

活動レポート写真2
新生児の緊急避難についての説明を受ける様子

【4日目】

本学の教員による災害看護の講義と本学の学生との討論のあと、午後からは、名古屋大学の減災館の見学を行いました。地震の疑似体験ができるヘッドマウントディスプレイを装着して、地震時にどう対応するのかを体験しました。フィリピンも日本と同様に災害が比較的多い島国です。どの程度の津波がくるとどこまで浸水するのかが一目でわかる地図を見ながら、「どこにどういう方法で避難をするとよいのか」について理解を深めることができました。

活動レポート写真3
地震の備えについての説明を受ける様子

【5日目】

午前中に、高齢者の日常生活や災害時避難について学ぶため、学内で高齢者体験を実施しました。災害時における高齢者の実際を体験することで、どのような看護支援につなげることができるのかを検討しました。午後からは、高齢者介護施設である介護老人保健施設ちよだを訪問。看護介護長と職員の方から高齢者のケアや防災への取り組みに関する講義を受講し、施設内を見学しました。

活動レポート写真4
災害時の高齢者の体験を学ぶシミュレーション演習の様子

【6日目】

フィリピン大学の看護学生が病院や介護施設で体験した内容に基づき、防災対策についての発表を行い、名古屋大学の学生や教員と討論をしました。そして、本プログラムの修了式を行い、記念写真を撮りました。

活動レポート写真5
フィリピン大学の学生の発表の様子

短期間でしたが、フィリピン大学と名古屋大学の看護学生や教員の交流も深まり、参加者全員にとり、有意義なプログラムとなりました。フィリピン大学からの招へい学生の感想としては、「大学病院では、患者を中心とした質の高い医療サービス、そして各病棟での防災対策や安全対策の策定の重要さを学ぶことができた。」「高齢者介護施設では、高齢者のニーズを満たすための設備やサービス、そして高齢者が快適に生活でき、QOLを高めるために医療従事者がどうしたらよいかを学んだ。」という感想がありました。本プログラムを支援していただきました「さくらサイエンスプログラム」に厚く御礼申し上げます。