2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第19号 (Cコース)
アフリカにおけるエネルギー課題解決に向けた国際共同研究
工学院大学からの報告
2024年8月30日~9月7日、シンガポール国立大学から大学院生4名、ナミビア大学から大学院生2名と教員1名の合計7名を招へいし、『アフリカ大陸におけるエネルギー課題解決に向けた国際共同研究』をテーマとした科学技術交流を実施しました。
人口が増加しているアフリカは、2040年までに20億人を超え、エネルギー需要が現在比で60%増えると予測されています。将来的に増大するエネルギー需要に応えるためには、アフリカに先進的なエネルギー材料・デバイスに関する教育研究者の育成が必須と考えられます。本交流では、アフリカにエネルギー材料・デバイスに関する教育研究者を育成する契機を提供するため、これまでさくらサイエンスプログラムを介して継続してきたシンガポール国立大学と工学院大学の二大学間のエネルギー材料に関する研究交流を日本国内の研究機関とアフリカの意欲ある大学へと拡大し、継続的な研究ネットワークを構築することを目的としました。
【来日前のオンラインミーティング】
来日前にオンラインで三大学の参加者でオンラインミーティングを実施しました。エネルギーデバイスの太陽電池、リチウムイオン電池の基礎理論について事前学習を提供し、実際に来日してからの実験内容などを打合せました。現在の研究内容を含めて、三大学間で研究を共有できることは、来日目的が明確になり、国際的な研究交流において非常に有益なものでした。
【工学院大学における実験】
招へい学生を中心に工学院大学にて実験を実施しました。エネルギーデバイスの製作について、工学院大学、シンガポール国立大学から実際にレクチャーを受けて、実践しました。このような国際的な研究交流が、共同研究の発足につながるものと感じました。実際に実験している様子が、ナミビアの新聞にも取り上げられ(https://neweralive.na/unam-japan-collaborate-on-research/)、アフリカにエネルギー材料・デバイスに関する教育研究者を育成する契機を提供できる取り組みとなりました。
【北海道における研究者交流】
エネルギー材料に関わる研究者も参加する「SPACC国際シンポジウム」(http://spacc.gr.jp/)に参加して、同席する多くの日本の研究者にも本プログラムの意義を理解してもらい、積極的な交流を求めていきました。自身の研究内容をポスターで紹介し、様々な意見交換を交わす機会となりました。
【帰国後のオンラインミーティング】
帰国後の状況報告や本プログラムの振り返りを行い、さらに共同研究の国際プロジェクトへの応募を準備しました。
本プログラムを通じ、これまでシンガポール国立大学と工学院大学の二大学間で行っていたエネルギー材料に関する研究交流をナミビア大学に波及することができ、この分野に関する世界的なネットワーク構築の第一歩になったと思います。
幸いにも期間中に事故や病気などはなく、無事にプログラムを終えることができました。招へい学生らは、研究や講義、学会に対して熱心であり、その姿勢は、一緒に活動した工学院大学の学生にもよい刺激と影響がありました。また、「これからも研究やプロジェクトなど継続的な交流を深めていきたい」などという意欲ある言葉を多く聞くことができました。本プログラムを実施するにあたりご尽力いただいたJSTさくらサイエンスプログラム関係者の皆様に感謝申し上げます。