2024年度 活動レポート 第14号:日本工業大学

2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第14号 (Aコース)

南インド地方の高校生が日本の科学技術と文化を体感

日本工業大学からの報告

 2024年9月4日~9月10日、インド共和国タミルナドゥ州カルール(南インド地方、主要言語はタミル語)にあるスリ・サンカラ・ヴィディヤラヤ高校およびバラ二ヴィディヤラヤ高校から生徒たち7名と、引率1名(および自主参加者1名)の計9名を招へいし、A.科学技術体験コースのプログラムを実施しました。本プログラムでは、インドの高校生たちが本学の機械工学科、ロボティクス学科での講義・実習を通じた実工学の現場および日本の社会インフラにおける先端技術の導入状況を体験し、科学技術が果たす役割の大きさを体感することを目的としました。

【9月4日】

 インドの高校生たちが初来日しました。

【9月5日】

 大学のキャンパス案内、英語学習サポートセンターでの交流会、イノベーション・起業教育センターによる講義と学生発表、先端材料技術研究センター見学、工業技術博物館見学を行いました。今回来日したインドの高校生たちは、「日本語を学習している」ことを条件として選抜されています。そのため、日本語での説明にもしっかり耳を傾けている姿が印象的でした。

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先端材料技術研究センターにて

【9月6日 実工学体験1】

 機械工学科の桑原教授によるSDGsのゴールに繋がっている環境系の研究の講義と実習を丸1日経験しました。

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機械工学科での授業風景

【9月7日 実工学体験2】

 ロボティクス学科の浦川教授により、科学技術の面白さを伝える内容での実習を体験しました。また、日本の伝統文化に接するイベントとして、和楽器演奏会の鑑賞会を行いました。生徒達は演奏終了後に舞台に上がって、三味線、お琴、尺八の演奏を体験し、日本の科学技術の世界とは反対の世界でも日本を感じてくれていました。

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ロボティクス学科での実習風景

【9月8日 日本の科学技術を体感】

 JR上野東京ライン、ゆりかもめを乗り継いで日本科学未来館を見学に行きました。南インドのカルール県で育った彼らの目にはJR上野東京ラインのスピードや外観も最新列車に映り、ゆりかもめの車窓から見える景色も初めて見る光景だったらしくスマホで熱心に動画撮影をする姿が目立ちました。日本科学未来館では、"和"を素材とした展示も多く、科学と文化が融合する展示に暫く足を止めている生徒や引率教員も見られました。
 帰路においては、東京駅から大宮駅まで新幹線に乗りました。新幹線に乗れることに興奮している生徒(特に男子生徒)も多く、南インドの高校生にとって新幹線が日本の科学技術を代表するものの1つであることを実感する瞬間でした。

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憧れの新幹線に乗車しました。

【9月9日 日印同世代との国際交流の中で日本文化を体験】

 日本工業大学駒場高等学校・中学校を訪問し、合同授業など通じて親睦の和を広げました。インドの高校生も積極的に日本語を使ってコミュニケーションをとる姿が印象的でした。日本の生徒達もインドの生徒達にすぐに打ち解けて実験や実技の協働作業を行っていました。特に書道は、インドの高校生が体験する初めての実技であり、筆という道具を使って文字を書くことに興味津々の様子でした。最後には日本の高校生に劣らない出来栄えの字を書いているインド高校生もおり、最後に記念撮影をした時の笑顔が印象的でした。

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書道を体験

【9月10日 成果発表会を経て帰国の途に】

 プログラムが終了し、各生徒が今回のさくらサイエンスプログラムについてプレゼンを行いました。大学での実工学体験、本学附属高校での国際交流などを通じ、彼らの将来の進路選択を考える上で、日本への留学や日本企業への就職を意識した発言も多く聞くことができました。将来の再会を約束して、インド一行は帰国の途につきました。

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最終日 ―成果発表会を終えて―