2024年度 活動レポート 第3号:長岡技術科学大学

2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第3号 (Bコース)

アフリカの課題解決を目指したジョモケニアッタ農工大学との研究交流

長岡技術科学大学 環境社会基盤系 水圏土壌環境研究室
助教 渡利 高大さんからの報告

 長岡技術科学大学 水圏土壌環境研究室では、2024年8月19日から28日までさくらサイエンスプログラムの交流事業によりジョモケニアッタ農工大学(ケニア)の教員2名と学生6名を受け入れました。

【オリエンテーション】

 7月17日にzoomによる顔合わせとガイダンスを行いました。実施主担当者が、滞在先である長岡の紹介や日本滞在期間中の注意事項等・プログラム内容について説明しました。

【8月19-20日】

 プログラム初日、成田国際空港に到着した8名をアシスタント学生が出迎え、滞在先のホテルまで一緒に移動しました。その後、招へい者らはミライエ長岡で開催されたJICA高専オープンイノベーションチャレンジ審査会/AFRI CONVERSE 2024「第3回Open Innovation」を聴講しました。招へい者から数多くの質問がありアフリカと日本の革新的な共創について活発な議論を行いました。

【8月21日】

 国際大学(IUJ)の見学を行い、国連開発計画(UNDP)が主催したUNDP総裁補兼アフリカ局長のアフナ・エザコンワ氏の講和を聴講しました。招へい学生は、日本人を含めた学生と交流を深め、多様性や女性地位向上についての意見交換を活発に行っていました。

【8月22日】

 午前は、日本最大規模のアクアポニックスプラントを見学しました。招へい学生は、チョウザメを用いたアクアポニックスシステムに興味を示しており、システムの理解と日本における需要について理解を深めました。午後は、水圏土壌環境研究室見学を行い、省エネ・省コスト型の水処理設備やアクアポニックスへの適用についてアシスタント学生と議論を行いました。

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アクアポニックスプラントにて

【8月23日】

 午後は、アシスタント学生のサポートにより、Fluorescence in situ hybridization法(FISH法)を用いた実験を行いました。水処理装置にて活用される硝化菌を対象に蛍光顕微鏡を用いて検出する実験です。招へい学生は、実験器具の扱い方やFISH法のメカニズムについて理解を深めました。実験終了後にはBBQを開催し、研究室の学生たちと異文化交流を通してお互いの親交を深めました。

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蛍光顕微鏡で硝化菌を確かめる招へい学生

【8月24日】

 アシスタント学生と招へい学生は、閉鎖型陸上養殖に用いられるDHSリアクターで培養された硝化菌のアンモニア除去性能を調査するため、振とう培養器を用いた硝化活性試験を行いました。招へい学生は、アクアポニックスシステム中のアンモニア除去を担う硝化菌についての理解や実験手法の理解を深めました。

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実験の様子

【8月25日】

 午前は、新潟市の水族館を見学しました。招へい者らは、イルカの迫力のあるパフォーマンスを見て驚いていました。午後は長岡市寺泊市場を見学し、アフリカと日本の水産市場の違いについて、五感を使って学ぶことができました。招へい者らは、日本の魚は鮮度が高く、保冷技術が高いことに強い関心を示していました。

【8月26日】

 午前は、閉鎖型陸上養殖施設の現場のほか、長岡高専の研究室を見学しました。午後には、招へい者らによる本プログラムの成果発表とアフリカ地域における課題解決についてのプレゼンテーションの後、解決に向けて日本の学生と共にディスカッションを行いました。

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プレゼンテーションの様子

【8月27日】

 JICAアフリカ部を訪問し、アフリカにおける課題解決についてのディスカッションを行いました。

 幸いにも期間中に事故や病気などはなく、無事にプログラムを終えることができました。招へい学生らは、研究や講義に対して熱心であり、自主的に学ぼうという姿勢が感じられました。また、アシスタントとして参加した学生もの向上につながる良い機会となりました。また最後の成果発表では、「これからも研究やプロジェクトなど継続的な交流を深めていきたい」という意欲ある言葉を聞くことができました。本招へいプログラムにはJSTはじめ多くの方のお世話になりました。感謝申し上げます。