さくらサイエンス・インド大学生招へいプログラム
インド大学生らが慶大で日印研究プログラムに参加
JSTさくらサイエンスプログラム推進本部(SSP)は9月24日(日)から1週間の予定で、インドの有力大学から選抜された大学生・院生49名を招へいし、日本とインドのさらなる頭脳循環の促進を目的とした特別プログラムを実施しました。
9月25日(月)午後、インドの学生たちは慶応大学の三田キャンパスを訪問。同大学SFC研究所日印研究・ラボ(IJL)が主催するプログラム、“India Japan Co−learning: Science, Technology, Innovation, Culture, Environment and Development”に参加しました。IJLでは環境、テクノロジー、文化など幅広い分野において日本とインドが連携して研究を行っています。まずIJLを主宰するRajib SHAW総合政策学部教授から慶応大学の紹介があり、続いて川根友SFC研究所上席研究員からIJLの活動報告がありました。
プレゼンテーションでは、武鑓行雄同上席研究員が“India Japan IT innovation and start−up”と題して講演。「インドはIT産業が大規模なスケールで成長・進化している。デジタライゼーションも加速し、スタートアップ企業も多く、ITデジタル人材も豊富。そこに日本独自のテクノロジーや、経験、知識を組み合わせることでグローバルなイノベーションが創出できるのではないか」と日印連携の重要性を指摘しました。
また、楽天グループからは岡崎満明氏が、同グループのR&Dセンターであり、また主要な技術ハブである楽天インド(Rakuten India)を紹介。楽天ならではのビジョン、ミッション、社員の能力開発や社会貢献活動、そして現在、インドの35大学から学生を受け入れているインターン・プログラムなどについて説明しました。インドの学生たちは特にインターンシップに興味をもったようで、「35大学以外からは受け入れないのか?」といった質問があり、「本人の能力、適性次第でどの大学からでも受け入れは可能なので、応募してください」との返答に安心した様子でした。
最後のプレゼンターは横河電機株式会社(Yokogawa Electric Corporation)の舩生幸弘氏。まず電力、石油、化学、IT、医薬品など幅広い同社の事業紹介があり、DXへの取り組みについては、Industrial Autonomy(自律化)と、そこへの道筋としてIA2IA(Industrial Automation to Industrial Autonomy)を提唱していると説明。「YokogawaはITとOT(Operation Technology)を結合させることで、モノつくりのDXの推進に貢献し、インドをはじめとする世界にむけてDXによるイノベーション創出を加速させる」と締めくくりました。学生からの「電力やIT以外にバイオ分野での研究もしているのか?」という質問には「バイオや製薬技術は今後大きく伸びる可能性があるので、その分野での研究も始めたところだ」とのことでした。
今回の慶応大学での日印研究プログラムに参加したことで、インドの学生たちは “Global Innovation through Japan−India Collaboration”にむけて、日印の絆の重要性を改めて認識したようでした。