さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第7グループ
茗渓学園高等学校で日本の高校生と交流を深める
第7グループ4日目の12月13日(水)。インド、中国、エジプト、ケニア、南アフリカの高校生98名と引率者17名、総勢115名は、茨城県つくば市の茗渓学園高等学校を訪問しました。同校は、国際バカロレア認定校で国際教育や留学生の受け入れを積極的に行っています。
ホテルを4台のバスに分かれて出発。日本の高校生と友だちになろうと、翻訳アプリを使って「はじめまして。私の名前は○○です。」「一緒に写真を撮っても良いですか?」等、日本語の練習をしながら目的地に向かいました。
午前中は同校の生徒たちと一緒に各国の高校生が10グループに分かれて、日本の授業を体験しました。“書道”の授業では、自分たちの国名を漢字で書く練習。また、団扇に墨で模様を付ける体験では、「家族への良いお土産が出来た」と喜んでいました。“化学”の授業では、㏗の変化によって色の変わるメレンゲ菓子作りに挑戦。たまたま校内ツアーで立ち寄った引率の先生たちも「酸っぱくて美味しいね」と試食していました。
“知の理論”や“心理学”の授業では、英語にもかかわらす高校生同士熱心に議論を交わしていました。他にも“生物”、“物理”、“経済”、“建築”、“社会と環境”、“言語と文学”等の授業を通して同校の高校生と交流を深め、昼食をとるころには「日本のお弁当は可愛くて美味しそう」といった会話を楽しむほどの仲になりました。最後にスマホで記念写真を撮り合って、授業体験は終了しました。
午後は同校の生徒と一緒に、素粒子ニュートリノの研究で2015年ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章博士の特別講義を受講しました。
「Looking back on my research at Kamioka−Neutrinos and Gravitational Wave」と題した講演では、小柴昌俊博士との出会いからカミオカンデの建設・実験を通してニュートリノの質量の発見に至った経緯、現在取り組んでいる大型低温重力波望遠鏡KAGRAでの研究について説明がありました。そして「困難なことを達成するためには、チームワークが重要。私も良いアドバイザーや同僚に巡り合えたことが良かったです。」「やりたいことがあったら、躊躇することなくやりましょう。」と高校生たちに向けたメッセージで締めくくりました。講演後の質問コーナーでは、「どういう経緯で先生の研究を世界に広めることが出来たのか?」といった質問から、「ニュートリノという量子力学と重力波という相対性理論が結合することは可能か?」といった専門的な質問まであり、中には梶田博士が「あなたの方が私よりも詳しいので答えられない。」という質問まで飛び出し、会場中が笑いに包まれました。
最後にエジプトとインドの学生が、「今日のような貴重な機会を与えてくれて、心から感謝します。」とお礼のあいさつを述べ、茗渓学園高等学校の訪問は終了しました。