さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第5グループ
東京理科大学で数学の面白さに触れる
8月1日(火)、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ラオスの高校生96名と引率者16名の総勢112名は、東京理科大学神楽坂キャンパスを訪問しました。
キャンパスに入ると、TUS(TOKYO UNIVERCITY OF SCIENCE)のロゴの入ったお揃いの緑のハッピで理科大の皆さんがお出迎え。まず、東京理科大学国際課推進センターの牧内博幸センター長から大学の概要や留学制度、また日本における理学の歴史について説明を受けました。
説明の後は、高校生たちが待ちに待った秋山仁先生による数学の特別授業です。長髪にトレードマークのバンダナ姿で登場した秋山先生に、会場から拍手と歓声が起こりました。秋山先生と言えばさまざまな道具を使って数学を楽しく解説してくれるので有名です。この日も、なぜ「マンホールの蓋は丸いのか?」(Figures with Constant Width:ルーローの三角形と定幅図形)、「なぜ音楽CDに傷を付けても再生出来るのか?」(Error Correcting Code:誤り修正符号理論)、「A地点からB地点に行く最短距離は?」(Soap Bubbles are amazing:シュタイナー点)など、数学の理論を身近な疑問と結び付けて分かりやすく紹介してくれました。「この実験材料は東急ハンズで買えますよ」と先生が声を掛けると、「僕の国には東急ハンズが無いけどどうしよう」と真剣に答える高校生に会場から笑いが起こりました。
高校生たちも小道具を使って実験を体験。位相幾何学(Topology)を応用して二本の紙テープで四角形やハート型を作ったり、二進法を使った数当てゲーム等、数学の理論がゲーム感覚で理解できるので、高校生たちは目を輝かせていました。そして最後に秋山先生、牧内センター長を囲み全員で記念撮影をして、授業は終了しました。
午後は6グループに分かれ、キャンパス内にある数学体験館と近代科学資料館の見学、留学生との座談会を行いました。数学体験館は2013年に、秋山仁先生の指導の元にオープンした「数学を五感で体感できる」施設です。スタッフの解説を聞きながら、サイクロイド曲線や三平方の定理について見たり、触れたりして体感しました。また近代科学資料館では、日本の近代科学の歴史やノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智先生の業績やゆかりの品を見学しました。
座談会では、留学生の生の声を聞く機会はめったに無いとあって、奨学金制度についての質問や東京理科大に留学することの良さ等、活発な質疑応答が行われました。留学生の中には過去にさくらサイエンスプログラムで日本を訪れた学生もいて、「日本人は優しいし、食べ物もおいしいので、留学するならぜひ日本と決めました。留学してみたら予想以上に良い国でした」と日本の良さをアピールしていました。
途中、雷が鳴る大荒れの天気となり、一時はどうなることかと心配しましたが、終了時には天気も回復し、学生たちは満面の笑みで大学を後にしました。