さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第4グループ
大阪公立大学の人工光型植物工場で次世代農業を学ぶ
7月12日(水)、インド・トンガ・サモアの高校生らは大阪公立大学植物工場研究センター(PFC)を見学しました。PFCは人工光型植物工場を主対象とした、最先端研究開発拠点のひとつです。光、温度、湿度、二酸化炭素濃度、養分、水分などを完全に制御した環境下で、播種・育苗・栽培工程が行われています。また、この工場で栽培したレタスは実際にスーパーマーケットなどでも売られており、構内には「産地直売」ならぬ「工場直売」ののぼりがたっているのも「未来の農業の姿」を垣間見た気がしました。
一行はまずアクアポニックスと呼ばれる野菜と魚を同時に栽培・飼育する研究室を訪問。ニジマスやどじょうの排泄物を野菜の肥料として再利用する次世代の循環型農業の様子を興味深く観察しました。また、人工光での野菜栽培では、露地野菜のように風があたらないため、レタスなどでは葉先が茶色になるチップバーンが発症。それを防ぐための送風システムの研究も行っているとの説明をうけ、レタス栽培には風も必要ということを知った高校生たちは感心しきりでした。
工場見学の後は、センター長の北宅善昭特任教授のレクチャーがあり、「青と赤のLEDだけでも野菜は育つが、緑色のLEDは根元まで光が届く」「光合成を高めることで野菜を早く成長させることができる」など興味深い講義内容に、高校生たちは次々と手をあげ、「人工光と太陽光とでは味に違いがあるか?」「実際に市場に出荷しているレタスの量は?」「レタス以外にトマトなどは栽培していないのか?」「電源に太陽光パネルは使っているか?」などさまざまな質問を投げかけ、次世代農業に対する関心の高さがうかがえました。