さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第4グループ
京都・堀川高校で日本の高校生とサイエンス交流
7月11日(火)、インド、モンゴル、サモア、ソロモン諸島、トンガの高校生らSSHP第4グループ97名は、スーパーサイエンスハイスクールのひとつである京都市立堀川高校を訪問しました。
歓迎セレモニーと学校紹介の後、海外の高校生たちは21グループに分かれて「探究道場」に参加。探究道場は堀川高校ならではのユニークな活動で、年に数回、同校生徒が中学生といっしょに探求テーマに取り組むワークショップです。今回はいわばその海外版。中学生の代わりにSSHP高校生との探究道場です。
テーマは「LEDセンサー」。LEDは表示用や照明用だけでなく、光センサーとしても使えることを学ぶのが今回の目的です。具体的にはバッテリーやマルチメーターなどの機器を使用しながら、LEDに電気を通さずにそれぞれの光源の色を当てる、というなかなか難度の高い実験教室でした。にもかかわらず4チームは見事に当てることができ、「LEDの別の機能も学べてとてもためになった」と皆、満足の様子でした。
午後は"World Cafe"という少し趣の変わったワークショップ。「将来の夢」「学校の規則」「食事の時間」など、それぞれのテーマごとにグループで集まり、自分の考えを発表し、ディスカッションの後、自分の考えをボードに貼り付けていきます。日本人も海外の高校生たちもすぐに打ち解けて和気あいあいとしたワークショップとなりました。
そしていよいよ北川宏先生(京都大学大学院理学研究科教授)による特別授業です。テーマは『現代の錬金術(Modern Alchemy for New Nano−Materials: Binary to High−Entropy Alloys)』。先生は青銅器時代に遡る合金の歴史からスタートし、「すべての貴金属元素を原子レベルで混ぜ合わせて合金にしたのは人類で初めて」とご自身の研究内容を分かりやすく解説してくれました。そして最後に、「皆さんが成長していくためには、『発見』『驚き』『感動』が大切。そして人との出会いが人生をつくっていく」との言葉で締めくくり、高校生たちは大いに勇気づけられました。
また、SSHP引率者と堀川高校の教員の方たちのミーティングも設けられ、引率者からは「入学の基準は?」「学力の低い生徒の学力アップは?」「勉強以外の生徒たちの指導は?」など、次々に質問の手があがり、それぞれの国の高校教育の現状や違いを知る貴重な情報交換の場となりました。