さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第1グループ
都立富士高校で日本の高校生たちと体験実習
4月20日(木)、G1グループ(台湾、ネパール、スリランカ、アルゼンチン、ブラジル、チリ)の総勢83名(高校生68名、引率者15名)は東京都立富士高等学校を訪問しました。同校はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校で、中高一貫して最先端の理数教育を実施しています。富士校生たちに各国・地域の旗で迎えられたSSHPの一行、まず歓迎のセレモニーからスタートです。司会の高校生が流暢な英語で式を進めます。
勝嶋憲子校長のウエルカム・スピーチに続き、午前中はグループに分かれての実習体験です。ここでも主体は富士校生たち。彼らの丁寧な説明や熱心な指導を受けながら、生物ではミジンコの観察、天文関連では望遠鏡の組み立て、化学では色の変化の実験、そしてレーシングホビーやスポーツ体験などに取り組みました。
ミジンコの観察では顕微鏡を覗きながら、プラスチック板(プラバン)にその姿をスケッチ、さらにオーブントースターで熱するとあら不思議。あっという間に縮んでプラバンのキーホルダーの出来上がりです。
天文グループでは自作の望遠鏡で屋上から東京の景色を観測。またレーシングホビーでは、キットを組み立てた後、室内のサーキットで走行テストをすると、なんと時速30キロ近いスピードを出したレーシングホビーもあって「すごい、最高記録!!」と全員が大興奮でした。
昼食後は剣道や茶道、高校の部活では珍しい薙刀の体験に挑戦しました。そして小谷元子・東北大学教授による「Discrete Geometric Analysis」(離散幾何解析学)の特別授業です。小谷教授はまだ広く知られていない離散幾何解析学とは何かをスライドを用いて説明。さらに離散幾何学を材料科学に応用するという画期的な研究内容とその成果について解説しました。材料科学に数学の視点が加わることによって、新物質創成や物質発現の解明など、材料科学の新しい展開に期待が高まっていると締めくくりました。
さまざまな実習教室や部活体験、そして特別授業と充実したプログラムでしたが、全てが終わる頃には、SSHP高校生と日本人高校生はすっかり打ち解けて、まるで昔からの友達、同級生のように仲良くなった1日でした。