2023年度 活動レポート 第235号:八戸工業高等専門学校

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第235号 (Aコース)

八戸地域の科学技術と文化に触れる7日間
~モンゴルと日本学生のワークショップを通した国際交流~

国立高等専門学校機構八戸工業高等専門学校
産業システム工学科環境都市・建築デザインコース
助教 エンケ・ホルワさんからの報告

 2024年2月19日から25日までの7日間、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、新モンゴル高専、モンゴル工業技術大学付属高専、モンゴル科学技術大学付属高専の学生9名、教員3名が来日しました。来日前には、オンラインにてオリエンテーションも実施しました。

■プログラムの目的と構成

 遠隔交流と来日後の建築技術学習を通じて、八戸地域の製造業と歴史文化に触れ、持続可能な建築技術についての知識を深めることを目指しました。座学や実習だけでなく、両国学生間の交流を深める内容で構成しました。

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■オリエンテーション(オンライン)

 2024年2月13日、来日する参加者に向けて、滞在を快適かつ充実させられるよう、日本での生活に関する情報提供とプログラムの詳細について説明しました。オンライン交流を通じて、学生たちの状況を把握するとともに、担当教職員やサポートスタッフを紹介しまた。さらに、プログラムに参加する際の服装やインターネット接続、寮のルール、食物アレルギーに関する情報提供を行い、万全の準備を促しました。

【初日:2月19日】

 モンゴルの参加者は予定通り成田空港に到着しました。吉田教授の案内で新幹線にて八戸駅へ向かい、夕刻に八戸高専の国際寮にチェックインしました。到着後は、インターネットの設定と寮生活の注意事項の説明があり、翌日のプログラムに備えました。

【2日目:2月20日】

 朝食後の歓迎会から始まりました。朝のオリエンテーションで土屋校長の歓迎挨拶を受け、学生たちは「モルタルで遊ぼう!」という実験に挑戦しました。昼食後は八戸の伝統祭事である「えんぶり祭り」観賞、市役所別館、八戸美術館、八戸まちなか広場など地方における現代建築を見学しました。夕食は大食堂で日本人学生と食事を共にし、休息後は一日の振り返りと点呼で締めくくりました。

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「モルタルで遊ぼう!」建築材料実験説明と作品

【3日目:2月21日】

 八戸高専の学生と市内の歴史的な場所を訪れました。清水寺観音堂や櫛引八幡宮では、文化財の重要性について学びました。午後は、建築関連の実測調査と図面作成のセッションに参加しました。

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土木実験室見学

【4日目:2月22日】

 歴史と文化に焦点を当て、「八戸地域の歴史・文化」をテーマで八戸市博物館や根城史跡を訪問しました。午後は「災害から学ぶ」をテーマに、地域資源保護の学びを深めました。

【5日目:2月23日】

 学びと創造の日として、参加学生は「ペーパーブリッジを作ろう!」という実験に挑戦しました。午後は同期間に本校で実施している自主探究ポスター発表会を視察し、八戸高専の取り組みについても学ぶ機会を設けました。発表会では、本校に留学中のモンゴル人留学生の研究について熱心に聞き入っていました。その後、本研修の総まとめの発表会を行い、参加学生一人一人がプレゼンテーションを行いました。

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国際自主探究発表会の様子

 また、本校の留学生向けに実施しているJJ-Chatにも参加し、日本人学生や八戸高専に在籍する多国籍の留学生と日本語でディスカッションをしました。「3Dプリンタで印刷した家に住みたいですか」「将来どんな人になりたいですか」などをテーマに、自分の知っている日本語を駆使して、一生懸命話していました。送別会には期間中プログラムに関わった日本人学生や教職員が参加し、八戸高専でのプログラムを締めくくりました。

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JJ-Chatの様子

【6日目:2月24日】

 八戸から東京へ移動し、成田山新勝寺表参道を訪れました。夕食後、ホテルで帰国の準備をしました。

【7日目:2月25日】

 成田空港での朝食後、成田空港の先端建築技術について施設見学を行った後、帰国の途につきました。

■終わりに

 この度のさくらサイエンスプログラムを通じて、参加した学生たちは、専門分野において国際的な視野を広げ、積極的に活動に取り組んでいました。本校学生の語学力の向上はもとより、海外学生との深い交流を通じて、彼らが日本の歴史や文化、さらには最先端技術に至るまで、幅広い知識と経験を得ることができたことは大変意義深いことでした。数名の学生は、将来の日本留学について具体的な意欲を示し、今後の国際的キャリアへの一歩を踏み出し始めています。このプログラムが無事成功を収めることができたのは、参加した学生たち、教職員、そして関係各位の絶大な支援と協力の賜物であり、その支援に対し心から感謝の意を表します。今回の経験が、モンゴルの将来を担う優秀な若者たちの成長に寄与し、両国間のグローバルな交流の促進という貴重な成果を達成できたと自負しております。