2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第225号 (Aコース)
日本・タイ・ベトナム・英国の若者が、レゴブロックで理想のまちづくりに挑む
~豊田市を起点とした国際的ネットワーク形成を目指して~
豊田工業高等専門学校からの報告
■事業の概要
2月19日から25日に本校にてKOSEN Global Campを開催しました。このCamp(ワークショップ)には、海外からの参加者(イギリス(Cardiff and Vale College:3名、Burton and South Derbyshire College:3名)、タイ(Princess Chulabhorn Science High School Chiang Rai:4名)、ベトナム(Ho Chi Min City University of Education:4名))14名、豊田高専生17名、鈴鹿高専生7名、舞鶴高専生1名が参加しました。高専に所属するカンボジア、マレーシア、モンゴルからの留学生も参加し、英語を共通言語に多様性に富むワークショップとなりました。
このワークショップは、「未来のスマートシティーを志向する、フィールド・ものづくり・デザイン・エンジニアリングのトータルワークショップ」をテーマとして、様々な国の学生が混在した6名程度でグループを作り、レゴブロックを活用しながら、豊田市内を見学、市民の方々の意見を聞きながら未来の都市を提案しました。また、参加学生は、豊田高専内の学寮にて、まさに寝食を共にした濃密な1週間を過ごしました。
■事業の到達目標
今回のワークショップでは、以下の項目を到達目標として設定し、それぞれの活動を通して、能力を育成するとともに、参加者にはこの活動を通して、Global Citizenship能力の育成も求めました。
- 公共を理解し、あらゆるものづくりの必須条件として公共をプラットフォーム化する
- 都市の機能を理解し、自らの専門領域から新たな要素が提案できる
- 人間活動による地球環境問題を認識し、対策の必要性をベースとする思考ができる
- コンストラクショニズムによる創造と他者との共有ができる
■事業の背景
国連が提唱しているSDGs「11.住み続けるまちづくりを」は、先進国と開発途上国とが共にそれぞれの知見や技術、アイデアを生かし解決しなければいけない課題です。「まちづくり」は、それぞれの風土や歴史を背景に、公共性と都市機能の維持を基礎としながら、その空間で起こりうる災害、公害、交通課題を、包括的かつ持続可能に対応することが求められています。また、その課題に対しては、社会的なインフラ、機械や電気といった設備、情報インフラの活用などエンジニアリング部門が果たす役割も少なくありません。そのため、次世代を担う若者は、自分達が居住する「まちの機能」を知り、生活する当事者やステークホルダーの意見を聞きながら問題解決する能力や、複雑化した課題を認識しチームで解決する経験が求められているため、本ワークショップを企画しました。
■事業詳細
1日目:「到着、オリエンテーション、自己紹介、プログラム説明、意見交換会」学寮の使用方法、全日程の予定説明、本プログラムの目的について説明を行いました。午後からは、学生が企画・運営する意見交換会を行いました。
2日目:「レゴによる街づくり、街づくり発表」事前オンラインの宿題である"理想的なスマートシティー"を紹介しながら、グループでレゴアーキテクチャスタジオにて都市を設計し、発表しました。
まちづくりの研究者(豊橋技術科学大学建築・都市システム学系・小野准教授)から「公共」の概念と街づくりについての講義を受けました。また、環境に調和したモデル都市の見学と、豊田市内のフィールドワークを行いました。
"まち"を形成している住民やステークホルダー(主婦、NPO代表者、店舗経営者、外国人、研究者、行政官)と座談会形式で意見交換をし、都市の持つ課題を収集しました。その後、改めて"理想的な街"をグループでレゴを用いて設計しました。
コンペティション方式で各グループからの"理想的なスマートシティー"について準備をし、その後発表を行いました。
前日夜から午前はホストファミリーと共に日本文化体験を行いました。午後は学生が企画・運営する意見交換会を実施し、これまでの振り返りと表彰、最後の交流を行いました。
7日目:帰国