2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第223号 (Aコース)
スマート社会のためのIndustry 4.0 とSociety 5.0を学ぶための学生ワークショップと先端技術シンポジウム
岡山県立大学情報工学部
教授 伊藤 照明さんからの報告
本学情報工学部では、2024年2月12日から18日、JSTさくらサイエンスプログラムの支援によりドイツのハノーバー応用科学芸術大学(Hochschule Hannover(以下HsH):Hochschule Hannover - University of Applied Sciences and Arts)からJens Hofschulte教授、Ph.Dの研究者3名、大学生3名の計7名を招へいし、学生ワークショップ、研究シンポジウム、文化体験を介した人材交流を行いました。本プログラムの実施においては、本学情報工学部とHsH第1、第2学部との連携による実行委員会を組織し、2022年度のプログラムに続く対面プログラムとして計画・実施しました。
HsHからの招へい者7名は2月12日早朝にドイツのハノーバー空港を出発して2月13日午後に岡山空港に到着し、スタッフの出迎えを受けて岡山市内の宿泊先へと移動しました。
<2、3日目:チーム編成とワークショップ第1セッション>
HsHの7名は2日目に岡山県立大学キャンパスに来学して参加者との顔合わせを行った後、本学学生2名とHsH学生2名の4名混成とするグループによる3チームを編成しました。そして、アイスブレークとして準備した2つのゲーム、すなわち、"共通点探しゲーム"と"Never have I everゲーム"を実施し、グループメンバーでの打ち解けた雰囲気作りを行いました。本学学生の英語力は十分とは言えませんでしたが、お互いに相手のことを理解する努力により、効果的なアイスブレークとなりました。
ワークショップ第1セッションは、"Discover Japan"をテーマとしたフィールドワークです。活動場所を倉敷美観地区へと移動し、本学学生のガイドによるグループ別散策で日本のことを学び、学生が日本とドイツの違いを理解するための活発な交流を行いました。そして、この日の交流や議論の結果をまとめたビデオプレゼンテーション資料(3日目用)の作成が宿題となりました。
<3日目:ワークショップ第1、第2セッション>
ワークショップ第1セッションのまとめとして、各グループが宿題として作成したビデオによるプレゼンテーションを行い、参加者全員が情報共有を行い、相互理解を深めました。
ワークショップ第2セッションでは事前に3つのグループ別テーマ(①スマートホーム、②スマート工場、③スマート農業)を設定しました。これらのテーマに向けたアイデア提案を行うため、将来のスマート社会での活用が期待されるVR/AR/MRといったXR機器の体験会を本学の教員と学生の協力で実施しました。この体験の後でグループワークによる提案作成を行い、出来上がった提案内容をプレゼンテーションで発表し、参加者全員による活発な議論を行いました。このワークショップ開催後には、実行委員会スタッフとの間で意見交換会を開催し、今回のプログラムに対する意見や今後の参考となる感想等を聞くことができました。
<4日目:OHJG2024シンポジウム>
本プログラム実施前に設置した本学とHsHの教員で構成される実行委員会による共同開催企画として、第3回日独シンポジウムOHJG2024(OPU-HsH Japanese-German Symposium)を開催しました。特別講演として東京大学の梅田靖教授をお招きし、スマート社会のためのIndustry 4.0とSociety 5.0に関連した最新の技術に関する講演を行いました。そして一般講演としてHsHから6名、本学から6名の研究者と学生が登壇して研究発表を行い、活発な質疑応答が行われました。なお、本シンポジウムの講演予稿集はオープンアクセスジャーナルとして公開される予定です。
<5日目:文化体験>
瀬戸大橋見学、与島散策、備前焼体験、岡山城見学、岡山後楽園散策を行いました。優美な多島美を誇る瀬戸内海をまたぎ、本州と四国を結ぶ長大橋である瀬戸大橋の技術を感じ、日本の歴史ある名城である岡山城と日本三名園のひとつ「岡山後楽園」、そこで体験した備前焼では日本文化を十分に楽しんでいました。
2月18日の早朝に岡山を出発し、羽田空港経由で帰国しました。アンケートによれば、HsHからの参加者は日本の技術と文化に触れ、再訪の意欲を高めてくれたようです。また、学生や教員との交流体験を通じて、日本の技術と文化を学んでくれたことが伺えます。最後に、研究、教育と国際交流が結びついた本プログラムを実施するにあたり、多大なご支援と交流のきっかけを与えていただいた「さくらサイエンスプログラム」、そして本プログラムの実施にご協力をいただいた両大学の教職員の方々に深く感謝いたします。