2023年度 活動レポート 第217号:福山平成大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第217号 (Aコース)

看護学におけるシミュレーション教育の国際展開
~タイと日本におけるシミュレーション教育の新たな可能性~

福山平成大学からの報告

 2024年2月13日から2月19日の7日間、タイの王立プリンスオブソンクラー大学(PSU)看護学部から学生9名(看護学部3年生8名・大学院生1名)と教員1名を福山平成大学看護学部に招へいし、プログラムを実施しました。

【2月13日】

 タイ(バンコク)から福岡空港に到着、博多駅より新幹線で福山駅に到着後、今後の日程や日本での生活についてのガイダンスを行いました。

【2月14日】

 福山平成大学に到着後、学長への表敬訪問、看護学科の紹介、本学の看護学部学生(1年9名・3年12名)とPSUの学生が自己紹介を行いました。午後は「日本とタイの看護教育制度」について両大学の学生、教員が発表し意見交換を行いました。その後、PSUの10名は浴衣に着替え日本文化を体験しました。

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浴衣を着て記念撮影

【2月15日】

 午前は「日本とタイの母子保健の現状について」両大学の学生・教員が発表し意見交換を行いました。その後、基礎看護学プログラムとして担当教員が演習について説明、「シミュレータ(フィジコ)を使用して呼吸音や心音の正常、異常についての演習」を行いました。午後は小児看護学プログラムとして「乳児モデルを使用してフィジカルアセスメントの演習」を行いました。その後、ウエルカムパーティを行いました。学長の挨拶の後、それぞれの国の歌や踊りを披露して両大学の学生間の国際交流が盛り上がりました。

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フィジコを使用して瞳孔の観察
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乳児モデルでの演習

【2月16日】

 午前は成人看護学プログラムとして担当教員が事例を説明、世界基準の「ナーシング・アン・シミュレータを使用したフィジカルアセスメントの演習」を行いました。その後、母性看護学プログラムとして「分娩介助モデルを使用し両国の分娩介助について演習」を行いました。午後は学術交流会を行い、今回のプログラム・演習についての感想やPSUでの使用状況等についての意見交換を行い、コロナ禍における本学の成人看護学領域の事例を紹介しました。その後、さくらサイエンスプログラム修了式を行い、学長から修了証書が授与されました。

【2月17日】

 午前は学術交流会のまとめとアンケートを実施、午後は福山城博物館、広島県立歴史博物館で歴史探索を行いました。

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修了式にて

【2月18日】

 午前は福山市から専用バスで広島平和記念公園、広島平和記念資料館へ向かい平和教育学習を行い、午後は宮島にある世界文化遺産である厳島神社を参拝しました。

【2月19日】

 PSUの教員と学生10名は福岡空港からタイに帰国し、プログラムは終了しました。

 今回のプログラムを通してタイと日本の看護教育制度、母子保健の現状、シミュレータを使用した演習を実施し、両国の制度の違いを知ることができました。タイでは国王が医療看護を擁護し、家族のつながりを大切にする文化があります。看護師という専門職は、豊富な知識、批判的思考、コミュニケーション能力などが求められ、看護専門職は人間性や知性、チームワークを求められることは日本と同様です。助産師は男性も取得できることが分かりました。今後は、両大学看護学部の教員・学生間での交流を重ね、実施可能なプログラムを検討し、PSUへの海外研修を計画し、また互いの大学間での「オンライン授業」、「学生間でのジャーナルクラブ」による学生生活の発信、「共同研究」、「交換研修プログラム」などを検討していきます。
 最後に本プログラムに協力いただいた福山平成大学の学生・教職員の皆様、このような機会を与えていただいたJSTさくらサイエンスプログラムの関係者の皆様にお礼申し上げます。

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広島平和記念公園、原爆死没者慰霊碑前で