2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第053号 (Aコース)
マラ工科大学(UiTM)学生が桐生でモノづくり体験
群馬大学からの報告
2023年8月28日から9月4日の日程で、マラ工科大学(UiTM、マレーシア)の学生9名、教員1名(引率)が群馬大学理工学部でウインドカー製作を体験した。2022年度は新型コロナウイルス感染症の影響によりビザの取得、PCR検査の陰性結果、ワクチン接種証明など色々な手続きが必要であったが、2023年度は規制が緩和された中での実施となる。
本プログラムは2022年度と同様の「ウインドカーの製作」 を通して、モノづくり体験、PDCA(Plan−Do−Check−Action)を体験する。また、昨年度のさくらサイエンスプログラム参加者から「学生間交流(意見交換)」について提案されたため、本年度はプログラム中に学生間交流の場を新たに設けた。その他、日本文化体験として「着付け体験」と「茶道体験」を実施した。以下にプログラムの概要を記す。
8月28日早朝、ほぼ定刻通りに学生達が成田空港第2ターミナルの到着ゲートに姿を現した。電車を乗り継ぎ成田空港から群馬県桐生市に移動した。桐生市到着後、先ずは宿泊先に荷物を預け、宿泊先周辺のガイダンスを行った。今回招へいしたUiTMの学生たちは全員ムスリム(イスラム教徒)であり食事はハラールを選ぶ必要があるが、一般的なスーパーでハラールマークのある食品を見つけることは難しい。そこで、先ず日本の食品事情について説明し、宿泊施設周辺でハラールの食事ができるレストランを紹介した。
8月29日から本格的にプログラムが始まる。冒頭にプログラムの課題と目標(モノづくり体験)、注意事項、大学近隣にあるモスクの紹介、日程などについてガイダンスを行った。また理工学部長より挨拶を頂いた。
本プログラムでは風に向かって走るウインドカー製作を体験する。学生を3つのグループに分け、自分たちが製作するウインドカーの概要、推進方法などのコンセプトと仕様について話し合ってもらう。初めはどのようなウインドカーを作れば良いか勝手がわからなかった学生もサポート学生からの助言を受けながら自分達の作るウインドカーの仕様を決定した。
ウインドカー製作は主に9月1日まで実施し、8月31日には作成したウインドカーの試走を行った。試走では自分たちの作ったウインドカーが思ったように風に向かって進まず、タイヤの大きさ、動力の伝達方法、風車(推進器)などについて見直し、適宜問題点を改良した。今回プログラムに参加した学生の中にはモノづくりを経験したことが無い学生もいたが、同じグループの学生と相談し、また、サポート学生の助言を受けながら諦めずに製作を行った。
ウインドカーづくりの最終日に成果発表会を行った。成果発表会では製作したウインドカーのコンセプト、特徴などについてプレゼンテーションを行い、その後に実走試験を行った。製作した全てのウインドカーは無事風に向かって進むことができた。
9月1日に研究室見学会と学生間交流を実施。研究室見学では材料力学研究室、先端加工技術研究室、熱流体工学研究室と機器分析センターを見学した。どの学生も説明を熱心に聞いていた。学生間交流は私の研究室の学生や他学科の学生も参加した。参加者を4つのグループに分け、一回のグループディスカッションは20分とし、メンバーを入れ替え、計3回実施した。参加した学生からは、初めは緊張したが非常に楽しかったと盛況であった。
9月2日に日本文化体験を実施。桐生は織物で有名な地域であるので、着物の着付け体験を行った。群馬大学の隣にある桐生天満宮で開催された骨董市に着物を着たまま参加し、珍しい物を見つけることができたと楽しんでいた。その後、場所を茶室に移動し茶道体験も行った。
今回のプログラムを実施するにあたり、UiTMの国際担当のHaslenna先生、Ima先生、Yati先生にサポート頂いた。また本学の白石様、川島様には大変ご協力いただいた。ここに謝意を記します。