2022年度 活動レポート 第52号:群馬大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第052号 (Aコース)

マレーシアの学生がウインドカー製作を通じてモノづくり体験

群馬大学からの報告

 2022年度JSTさくらサイエンスプログラム「科学技術体験研コース」を、8月29日から9月4日にかけて、マラ工科大学(UiTM)から学生10名、引率教員1名を群馬大学理工学部に招いた短期研修を実施した。今回の招へいは、世界中で流行した新型コロナウイルス感染症の水際対策が行われている中での実施であった。本プログラムでは、風に向かって走るウインドカーの製作を通じたモノづくり経験、群馬県桐生市内にある重要伝統的建造物の見学による日本文化体験を実施した。

 8月29日早朝、成田空港の到着ロビーで学生が到着ゲートから出てくるのを待っていた。普段であれば、飛行機到着後、荷物をピックアップした多くの搭乗者がゲートから出てくるが、今回は到着ゲートから出てくる人は非常に少なく、新型コロナの影響を実感した。そのような状況の中、到着ゲートの付近で手を振っている11名の招へい者と対面した。成田国際空港から群馬県桐生市に移動し、14:00頃、一週間宿泊するホテルに到着した。ホテルに荷物を預け、市中バスに乗り群馬大学桐生キャンパスに向かう。初日のガイダンスではスケジュール、目的、課題(ウインドカー製作)、注意事項、キャンパス周辺情報などを伝えた。プログラム参加者を含めた関係者(UiTMの教員など)とは渡航前からLINEを用いて情報交換を行い、日本食の代表である「刺身」に興味があることを知っていたため、ホテルの近くにある和食レストランに一緒に行き食事をとった。

 2日目からプログラムの主軸である風に向かって走る「ウインドカー」の製作が始まる。学生を3つのグループに分けそれぞれウインドカーを製作する。ウインドカーについて予備知識が無い人、工作などの経験が少ない人にとって、1週間でこれを製作することはなかなかハードルが高い。そこで、まずインターネットで情報を収集し、デザイン、コンセプト、動力の伝達方法、材料、作り方、今後の進め方についてグループ討論を行った。

 製作は、部品の製作を分担するグループ、皆で一緒に作るグループなど、試行錯誤しながら作業を進めていた。本プログラムをサポートする私の研究室の学生も、適宜アドバイスを送り作業を進めていた。3日目には初号機の製作が完成した。送風機(大きいものからドライヤーなど複数用意した)からの風を受け、製作されたウインドカーの試走を行ったところ、どのウインドカーも思ったように風に向かって進まない。空中では車輪は回るが、車輪を床に接地させると前に進まず、風に押されて後退する。この状況に対し、プログラムの実施目的である「PDCA」を実施する。車体の重量、車輪の大きさ、推進器など問題点を挙げ、改善案を相談し、ウインドカーを改良し、再び試行する。

活動レポート写真1
製作したウインドカーの試走。思ったように前に進まない。

 この工程を繰り返し行い、全てのグループは最終日までに無事風に向かって走るウインドカーを製作することができた。最終テストでは、製作したウインドカーの特徴などについてプレゼンテーションを行い、走行を皆の前で披露した。

活動レポート写真2
苦労の末、何とかウインドカーを作ることができた。上手く作れたようで嬉しそうです。

 日本文化体験として群馬県桐生近辺にある重要伝統的建造物である「彦部屋敷」に訪問した。彦部屋敷は茅葺き屋根の主屋、蔵などの歴史建造物がある。今回、家屋の見学の他に「冬住み(隠居屋)」で茶道を体験した。

活動レポート写真3
正座と抹茶の苦みは学生には辛かった?

 8月31日はマレーシア独立記念日(Merdeka)であった。学生は伝統的な服装を着てプログラムに参加した。昼食休憩時間には小さなマレーシア国旗を持った集合写真を撮影し記念日を祝っていた。日本では記念日を皆で揃って祝う光景を殆ど目にすることが無いので、とても素晴らしい文化だと感じた。

活動レポート写真4
マレーシア独立記念日(Merdeka)を祝う学生

 最後に、コロナ禍でのさくらサイエンスプログラムの実施にあたり、JST経営企画部さくらサイエンスプログラム推進本部、群馬大学国際課、引率者のYati先生、UiTM国際担当のNajah先生に非常に協力いただいた。改めて謝意を記します。