2023年度 活動レポート 第27号:日本工業大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第027号 (Aコース)

IT系インド大学生との科学技術交流~社会に役立つ実工学を学ぶ~

日本工業大学からの報告

 「さくらサイエンスプログラム」の支援の下、インド共和国のM.クマラサミー工科大学(M. Kumarasamy College of Engineering、以下MKCE)の学生9名、引率教員1名を招へいしました。MKCEとは2021年度に交流の機会がありましたが、新型コロナウィルスにより入国できずオンライン交流を行いました 。2023年度は9月10日に来日し、9月16日に帰国するまでの7日間にわたる研修プログラムを実施しました。

【9月11日】

 英語学習サポートセンターでセンター所属の教職員と本学の学生とで、それぞれの大学の紹介をし、両国の学生達の取り組んでいる研究テーマなどについて話し合いました。午後は「人工知能とは?」という講義を受け、AIの歴史に始まり、最先端AI、未来のAI技術と応用について学びました。その後、日本産業の発展に貢献した歴史的価値の高い数多くの工作機械を動態保存していることで国内外に広く知られている日本工業大学工業技術博物館を見学し、かつて大井川鉄道を走っていた蒸気機関車や国家プロジェクト「ムーンライト計画」で開発された発電用高効率ガスタービン(重さ約500t、出力10万kW)などを見て感激していました。

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英語学習サポートセンターでの交流

【9月12日】

 午前中は企業訪問をし、MKCEの学生さん達が取り組んでいる5つの研究テーマを9人の学生が手分けして研究活動の成果を日本語で発表しました。「テキストマイニングを利用した人間の感情分析に関する研究」や「果物の鮮度を測る研究」などが発表され、企業の専門技術者から問題点解決のための有益なコメントが得られました。午後は企業様附属の博物館で日本初の電気製品やワープロの展示の見学、先端技術の超電導実演など楽しそうに体験する姿勢がとても印象的でした。

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企業様における成果発表風景

【9月13日】

 午前中は本学付属駒場高等学校の生徒とMKCEの学生とが交流する時間を設け、南インドのタミルナードゥ州の説明等を通じてインドの多様性、多元性などアジアの大国の今について学びました。加えて日本語と英語を混じえた会話が試みられ、お互いが二か国語を駆使すれば言葉の壁を何とか超えられることを学ぶことができ、両国の生徒・学生にとって貴重な異文化交流体験となりました。午後は日本科学未来館を訪問し、各種展示に目を奪われていました。中でもSDGsに関連する「未来逆算思考」、データ通信の原理を視覚化した「インターネット物理モデル」の展示に興味を示し、何度も足を運ぶ学生がいたことが印象に残りました。

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付属高校生徒とのディスカッション

【9月14日】

 午前中はユニバーサル野球盤がハンディキャップのある人達が楽しめることを目的に開発されたことやリモート対戦に必要な技術知識などを学びました。午後はユニバーサル野球盤を使った体験学習を行いました。インドでは、野球はポピュラーなスポーツではないものの2チームに分かれて対戦したところ、直ぐに野球ゲームを理解し、大いに盛り上がりました。その後は、ユニバーサル野球体験学習をサポートしてくれた本学の学生達とインドでのユニバーサル野球盤に関連する技術の展開(社会貢献の可能性)について議論し合いました。インドに帰国後は、リモートでの対戦を予定しています。

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体験学習後のディスカッション

【9月15日】

 午前中は埼玉県内の4大学(埼玉県立大学、埼玉医科大学、城西大学、日本工業大学)で取り組んだ「彩の国連携力育成プロジェクト」についての講義を受けました。MKCEの学生さん達はIT系でしたが、IT技術は暮らしを支えるために貢献できることを学びました。午後はMKCEの学生さん達が本研修で学んだことや体験したことの報告会を行いました。その後、本学主催の留学生交流会に参加し、多くの留学生と有益な交流を行った後に修了式を行い、皆さん本研修には大変満足していただいたようで我々も大変嬉しく思いました。また、本学の学生にとってもインドの学生さんと交流できる機会を持つことができ、国際意識を高めることができましたことに感謝致します。

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修了式後の集合写真

 最後に、本研修プログラムの実施に当たり、ご支援いただきました「さくらサイエンスプログラム」の関係者の皆様、並びに本研修プログラムのサポートをしていただいた本学の教職員と学生に感謝申し上げます。