2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第072号 (代替オンライン)
印日両大学の研究成果共有による、共同研究および産学連携、ビジネス適用機会の模索
日本工業大学 先進工学部 情報メディア工学科からの報告
2021年9月7日から9月9日の3日間、インド共和国のM.Kumarasamy College of Engineering(以下、MKCE)の学生9名、教員1名と日本工業大学の基幹工学部情報メディア工学科との間で、さくらサイエンスプログラムによるオンライン交流を開催しました。実施事項は、①研究成果発表・情報共有会と②交流会でした。双方の時差を勘案し、3日間とも日本時間の午後の実施となりました。
①研究成果発表・情報共有会について
今回実施したさくらサイエンスプログラムでは、その基盤となる企画は「研究成果発表・情報共有会」でした。これは、産学の観点を交えて双方の研究成果を発表し、レビュー、質疑応答、意見交換を通して研究成果を高めるための示唆を得ることを狙った企画です。本企画の実施により、両大学は、研究領域の重複を認識することができ、結果として、今後共同研究へ発展させたい、という希望を双方が持つに至りました。
また、ビジネス的な観点、産学連携の可能性を議論するため、日本の企業2社から参加していただきました。企業参加者との質疑応答、意見交換では、研究成果への感想に留まらず、実用に供するための要件について具体的な議論がなされました。特に、「AN INTERACTIVE WIRELESS COMMUNICATION SYSTEM FOR VISUALLY IMPAIRED PEOPLE USING CITY BUS TRANSPORT」の研究成果共有においては、本学教員より、ジャイロセンサーの種類により位置情報の正確さに差異がでること、日照に対する設定の加減が必要であること、また「SMART AGRICULTURE」では、企業参加者より、屋外での機器の利用について、バッテリーによる電力供給の持続性について考えているかの質問や、日本のベンチャー企業が発案したバッテリーについて情報共有があり、研究成果を実用に供するにあたっての課題への解決策が示される場面もありました。企業参加者からは、その後の情報提供など、交流の継続につながりました。
さらに、「VR MARKET」「COMPUTERRIZED DRIVING SKILL TEST TRACK SYSTEM」の研究内容は、実社会に貢献する研究内容として関心を集めました。すべてのプレゼンテーションが素晴らしく、内容も興味深いものであったため、全体を通して、とても有意義な時間を共有することができました。
②交流会について
交流会は双方から話題を出し、フリーディスカッションをする形式で開催しました。今回MKCEから参加した10名の学生と教員は全員、日本語が堪能で、研究成果をプレゼンテーションするための資料の日本語翻訳の他、発表、質疑応答、意見交換までをすべて日本語で行うことができました。交流会も通訳なしで実施し、日本について10名全員が積極的な関心を示しており、コロナ禍が収束したら来日したいと希望していました。また、日本に来て行きたい場所を聞いたところ、多い順に「富士山に登りたい」「日本で働きたい」「アニメの聖地に行きたい」「遊園地に行きたい」といったコメントがありました。両大学の交流を継続すること、来日できる日がいつか来ること、次年度以降のさくらサイエンスプログラムが現地で実施できることを期待しつつ、雰囲気が盛り上がったところで本プログラムは終了となりました。