2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第004号 (Aコース)
生命・工学分野を融合した学際研究における日本の先端的分子シミュレーション技術について学ぶ体験交流
東北大学からの報告
2023年6月11日から6月17日までの7日間、インドネシア大学からNasruddin教授と学生4名、ウダヤナ大学(インドネシア)からSucipta教授と学生4名の計10名を東北大学流体科学研究所に招へいし、科学技術体験コースの交流活動事業「生命・工学分野を融合した学際研究における日本の先端的分子シミュレーション技術について学ぶ体験交流」を実施した。なお、本交流内容はウダヤナ大学HP でも紹介されている。
東北大学とインドネシア大学は2020年度にさくらサイエンスプログラムを実施 している。当時はコロナ渦でやむなくオンラインでの実施であったが、同オンライン交流をきっかけに留学や共同研究に発展し再来日した実績がある。また、同オンライン交流に参加した複数の学生が東北大学への進学を検討する状況に至るなど、日本の科学技術への高い関心・意欲を持つ人材の確保に繋がっている。本交流計画では、ウダヤナ大学が新たな交流先として加わることで、インドネシア大学に限らずインドネシア国内のより多くの学生に日本の先端的技術を知ってもらい、日本への留学や日本での研究活動がさらに促進されることを期待する。
本交流では、生命・工学分野における先端的なプログラミングおよびシミュレーション技術に関する実践型の講義を4日間にわたり、学生らが実際に手を動かしてプログラミングを行い、シミュレーション技術について学習した。分子シミュレーションを用いた研究を行っている馬渕研の学生にも協力者として参加してもらうことで、プログラミングに関する細かな質問にも対応しつつ、同年代の学生同士の国際的な交流を促進することも出来た。講義の中では、共同研究先でありナノポアセンサ分野の第一線で活躍する長岡技術科学大学の庄司先生を講師として招待し、当該分野の紹介や分子シミュレーションとのコラボレーションについてオンライン講義を実施した。また、東北大学流体科学研究所の実験系の9研究室にご協力頂き、研究室見学を実施した。シミュレーションだけでなく流体科学に関連する分野にとらわれない多様な先端研究に触れる機会を作ることで、より広範な日本の先端的研究活動について関心を持ってもらうことが出来た。さらに東北大学流体科学研究所・未来流体情報創造センターの次世代融合研究システムの一部であるリアライゼーションワークスペース(RWS)による3次元可視化技術の体験も行った。
最終日には、八戸工業高等専門学校を訪問し、高専の教育制度および大学・高専間の交流についてもマテリアル・バイオ工学コースの山本先生よりご紹介して頂いた。これにより、大学に限らず日本の教育研究機関との連携促進にも期待が高まった。
最後に、本プログラムの実施にあたり、多大なるご支援をいただきましたさくらサイエンスプログラムの関係者の皆様、プログラムにご協力をいただきました東北大学流体科学研究所の教員、職員、学生の皆様、八戸工業高等専門学校の関係者の皆様へ、この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。