さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第5グループ
東京都立立川高等学校を訪問 ①
12月14日(水)、バングラデシュ、マレーシア、モンゴル、パプアニューギニア、台湾の高校生17名、引率者10名、計27名は、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されている東京都立立川高等学校を訪問しました。日本の高校生との交流は、毎回、海外の高校生たちにとって大変注目度が高い人気プログラムのひとつです。今回も来日前から楽しみにしていたメンバーが多くいたようです。
立川高校は、創立122年を誇る伝統校で、普通科のほかに「創造理数科」を併せもつなど、理数系の人材育成に特に力をいれて取り組んでいる高校です。冒頭、鈴木宏治校長から、「立川高校には、皆さんと同じように、将来理系の大学に進学して研究者になるという夢をもつ生徒たちがたくさん在籍しています。同じ夢をもつ高校生同士として、今日は一日、素敵な交流の時間を過ごしてください。」という歓迎のお言葉をいただきました。
交流の始めは、2年生の「物理」と「地学」の授業体験。一行は2つのチームに分かれてそれぞれの教室へ向かいました。
「物理」の教室前方には、水の入ったいろいろな形のグラス、長さの違うパイプ(壊れた机の脚を再利用されたそうです)がぶら下がった木枠・・などなど、たくさんの手作り楽器が準備されています。本日の授業のテーマは『音の性質』。さまざまな手作り楽器を実際に手にとって音を鳴らし、「音を大きくするためにはどうするか」「音の高さの条件」などを調べていきました。
「地学」の授業のテーマは「雲はなぜできるのか?」。緩衝材として使われている空気の入ったビニール袋を握りつぶしたときにほのかに感じる温かさや、スプレーを噴射したときの冷たさを実感して理論を考えたり、ペットボトルの中に実際に雲をつくってみたりしながら、断熱膨張と断熱圧縮、雲のでき方について学びました。
どちらの授業に参加したメンバーも、いつの間にか、すっかり立川高校のクラスの一員になったように自然に溶け込んで、積極的に課題に取り組んでいました。
次は、8つのグループに分かれての英語によるディベートです。「地球温暖化対策を経済成長よりも優先して取り組むべき」という意見に対して、賛成チーム、反対チームに分かれて議論を戦わせました。海外の高校生たちと一緒に席についたのは立川高校1年生の生徒たち。普段から英語の授業にディベートが取り入れられているようで、「賛成チームの意見2分で!」などの先生からの号令に機敏に反応しながら、「温暖化によって深刻な災害が発生している以上、経済を優先すべきではない」「経済が潤うことによって、問題を解決するための技術を開発できる」などなど・・・。海外からの高校生と協力して論点をまとめあげていきました。最後のジャッジは、それぞれが自分自身で行います。集計の結果、賛成チームがみごと勝利を収めました。
ランチの後には、「天文気象部」と「茶道部」の活動の様子を見学させてもらいました。快晴に恵まれたこの日、屋上からは美しい富士山をくっきりと視界にとらえることができました。一行は、設置されている「天文気象部」の天体望遠鏡の数々に圧倒されながら、興味津々にのぞき込み、宇宙への夢を膨らませました。「茶道部」では、浴衣姿の立川校生からお茶のおもてなしを受け、しっとりとした日本文化に触れることができました。
また、大きな体育館に移動して行われた「歓迎セレモニー」では、会場いっぱいに響き渡る合唱部による立川高校の校歌に、皆で心から拍手喝采を送りました。