2022年度 活動レポート 第5グループ:理研横浜キャンパスと横浜市立大学を訪問

さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第5グループ

理研横浜キャンパスと横浜市立大学を訪問

 12月12日(月)午後、来日中のSSHP第5グループ(バングラデシュ、マレーシア、モンゴル、パプアニューギニア、台湾)の高校生と引率者、計27名は、理化学研究所・横浜キャンパスと横浜市立大学・鶴見キャンパスを訪問しました。今年度、最後のSSHPグループです。

 理化学研究所(理研)では横浜キャンパスの末広所長(Mr. Suehiro, Director, Yokohama Branch)から、「理研は日本で唯一の自然科学の総合研究所で、日本に10か所、海外に5か所の拠点があり、横浜は“生命と環境”についての研究を行っている」といった概要説明がありました。

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理化学研究所についての説明

 続いて環境資源科学研究センター(CSRS)の戸高大輔研究員(Dr. Todaka, Plant Genomic Network Research Team, Center for Sustainable Resource Science)が"Ethanol treatment enhances abiotic stress tolerance in plants"と題して、低濃度のエタノール水溶液を与えると、農作物は乾燥ストレスに強くなる、といった最新の研究成果を紹介しました。高校生たちはエタノールの効果にかなり興味をもったようで「メタノールではだめなのか?」「麦や米だけでなく、野菜に対しても効果があるのか?」などと次々と手を上げ、質問していました。

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質問に答える戸高研究員
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熱心にレクチャーを聴く

 その後、高校生たちは3グループに分かれて、生命機能科学研究センター(BDR)のNMR(核磁気共鳴)装置とクライオ電子顕微鏡、生命医科学研究センター(IMS)の次世代シーケンサーの研究施設を見学しました。NMRの見学では、「MRIとどのように違うのか?」「研究結果をどのように使うのか?」「何故、装置は木造建築のなかにあるのか?」など、研究者にいろいろ尋ねている姿が印象的でした。

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NMR見学

 理研見学の後は、すぐ横にある横浜市立大学・鶴見キャンパスの訪問です。ここには生命医科学研究科・理学部があり、生命現象や原子・分子レベルでの生命医科学の研究をしています。2名の教授から講義を受けました。池上貴久教授からは横浜市大や生命医科学研究科の紹介の後、タンパク質やアミノ酸、そしてコロナウイルスを不活性化することで注目を浴びている酵素リゾチーム(Lysozyme)についての講義がありました。次いでJeremy Tame教授はタンパク質の機能・構造解析、人工タンパク質の設計などについての説明をしてくれました。ここでも高校生たちは活発に質問し、Tame教授は一人ひとりに丁寧に答え、まるで大学の授業のような雰囲気でした。

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Tame教授の講義
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横浜市立大学にて教授と一緒に記念撮影